劇場公開日 1950年9月8日

「【貧しき生活を脱するために、犯してしまった罪。全編に流れる哀調の音楽と、自転車を盗まれた父と共に懸命に街中を走り回る幼き息子の姿が哀しい。】」自転車泥棒 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【貧しき生活を脱するために、犯してしまった罪。全編に流れる哀調の音楽と、自転車を盗まれた父と共に懸命に街中を走り回る幼き息子の姿が哀しい。】

2022年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

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■敗戦して貧困にあえぐイタリア社会をリアルに切り取った作品。

ー 長い失業の末、映画のポスター貼りの仕事を得たアントニオ。彼は妻に大切なシーツを質入れしてもらい、漸く仕事に必要な自転車を手に入る事ができ、貧困生活を脱する事が出来ると抱いた仄かな希望。
  だが、息子を自転車に乗せてポスターを貼って回っている時、ちょっとした隙に自転車を盗まれてしまう。
  必死になって、街中を親子で自転車を探し回るのだが…。ー

◆感想

 ・貧困を脱するために男が漸く手に入れた自転車。それは、家族4人を養う為。
 幸せが訪れるはずだと、思って希望を持って働き始めた矢先に、自転車が盗まれて・・。

<哀切極まりなき作品。父親と共に必死に盗まれた自転車を探す幼き息子の姿。
 そして、追い詰められた父親が行ってしまった事。
 その姿を見つめる息子の涙。
 第二次世界大戦後の貧しきイタリアで生きる市井の人々の姿を鮮やかに描き出した作品である。>

NOBU