シティ・オブ・ジョイのレビュー・感想・評価
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【今作は、手術で幼い命を救えず、インドに逃避行した米青年医師がスラム街”シティ・オブ・ジョイ”で懸命に生きる人達や、無料診療を行う女性医師との交流の中、再起していく物語である。】
■手術で少女の命を救えなかった事で、自分に絶望し、救いを求めてインドのカルカッタへ逃げて来たアメリカ人青年医師・マックス(パトリック・スウェイジ)。
診療所を運営する白人女性ジョアン先生(ポーリーン・コリンズ)を手伝いながら、貧しい中でも、町を牛耳る金持ちの搾取の中、懸命に生きようとするスラム街の人々との交流を通じて、人間の尊厳を学んでいく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・フランス・イギリス合作映画であるが、まるでインドのボリウッドで製作したかのようなリアリティ溢れるインドのスラム街の街並みの再現度合いに驚く。
・だが、今作の見所はそのスラム街に流れ着いた米国青年医師マックスと、一家でやって来たハザリ、カムラ夫婦、白人女性ジョアン先生たちとの交流の描き方である。
特にハザリは美しき娘を嫁がせるために、大旦那に名のみ人力車の車夫として懸命に働き、カムラは妊婦出産の際にマックスとジョアン先生の補助をし、逆子だった赤子の出産に貢献する。
この作品では、貧しき人たちがお互いに助け合い、生きる姿がキチンと描かれるのである。
・町を牛耳る太った金持ちは、多少は寛容だがその息子アショークは冷酷無比な男として描かれる。今作では貧富の格差も主題の一つであるが、アショークの横暴さにハザリは決然と立ち上がり、彼を地面に叩きつけるのである。何度も何度も。そしてその姿を見た、他の車夫たちは彼を認め、彼の娘が嫁ぐ時には、総出で祝いに来るのである。
・そんな姿をずっと見て来たアメリカ人青年医師・マックスは、自分が暮らす事になった”シティ・オブ・ジョイ”という名の街の解釈の仕方を変えていくのである。
<今作は、手術で幼い命を救えず、インドに逃避行した米青年医師がスラム街で懸命に生きる人達や、無料診療を行う女性医師との交流の中、再起する物語なのである。>
逃げる、傍観する、行動する
マックスがインド滞在で得たものとは
誰しも現状の人生に嫌気が差して、どこか遠くへ行ってしまいたいときがあるだろう。マックスも医者の仕事に絶望してそういう気持ちになった。そして開放されたくてインドに来た。だが作中の女医の発言にもあるように、誰しも希望と絶望の間でもがいて生きている。それはインドでも同じで、結局どこかで人生の課題に向き合わなければいけない。自ら希望を勝ち取るために行動しなければならない。マックスがインド滞在で得たものとは、そういう真理ではなかったか。
以下は気になった点。ハザリが若旦那を締め上げて以降、若旦那の派閥が干渉してこなくなったのは少し都合が良い気がする。そんなことをしたらいよいよ彼らも手段を選ばない行動に出てくるんじゃないだろうか。ただ、若旦那は大旦那ほどの権力も人望も無さそうなので、反抗を抑えきる力が無かったと思えば納得がいく。
スラム街が何より印象的
青年医師が絶望の淵を彷徨い歩くなか
手術で患者を救うことができず、一度は医者を辞めてインドに旅立った青...
人生は予期しない事が起こる(伏線)
雑さがすごい
ベタなヤンキードクターの再生
インドの俳優さんたちのパワフルさはすごい。
大雨のシーンとか、貧しい人々の住まいとか、主人公との落差、診療所を経営する看護師さん、ハンセン氏病の人も登場し、貧富の差、自由、色々なことを考えた。
この映画の頃から世界は少しは良くなったと思いたい。
人生の旅
少女の命を救えなかった絶望から医者をやめ、ひとりインドに渡ったマックス。貧困にあえぎながらも懸命に生きるハザリ一家やクリニック医師と出逢い、自らも希望を取り戻していく物語。
今年の未体験ゾーンで見逃しの名作にこんなにも早く出会えるとはありがたい‼
裕福な国、アメリカから来たマックスと、借金苦からカルカッタに逃れ仕事を探すハザリ。対照的な2人が、助け合ったり衝突し合ったりの繰り返しの中で、逃げてきたマックスにも希望の灯が灯り…。
更には街を牛耳る悪徳グループに逆らえない群衆の中で、皆を導き立ち向かおうとするリーダーシップを発揮するマックス。しかし、彼の知らないこの地の風習…騙しは日常茶飯事、病気と思われる人々への偏見・弾圧に苦しめられる。
そんな価値観・立場の違いから中々一枚岩とならないマックス達が突き進んでいく様は感動したし、貧困に苦しむ現地の人達の生きづらさ、そして人種を越えた家族の物語に胸を打たれた作品だった。
舟の舳先の話はグッと来たなぁ・・・。ワタクシも普段から暗い未来を勝手に想像しては不安になるクセがあり・・・。観ていてとても勇気をもらえた。
また、悪役たちの存在感が素晴らしい。最後手を貸さなかったあたり、やっぱり息子の方は信頼されていなかったのかな。
その点、オヤジの方は思考は悪だし搾取も酷いが、それでも多くの民衆からの支持を得ていた模様。認めたくはないが優秀なんだろうな。尚のこと恐ろしい…。
正義と悪、富と貧困、勇気とか希望とか幸せとか・・・月並みな感想ですが、そんなものが沢山詰まった名作だった。
希望と絶望の間
カルカッタのスラム街「シティ・オブ・ジョイ」を舞台に、そこを訪れた人々や住人達が生きる為に行動する話。
少女の命を救えず医者を辞めてやって来たアメリカ人外科医と、仕事を探して家族共々日照り続きの村を離れてやって来た男が、偶然出会い働き始め、そして、ハンセン病で疎ましがられる人々や搾取される人達と共に暮らし始めて巻き起こるストーリー。
医者がいない中で妊婦の体調に異変が起こり、仕方なく立ち上がり、子供たちとの交流を機に、町の人達とも心を通わせるようになっていく主人公。そしてそんな主人公に感化されていく人達。
仕事を与えて自分の所有するスラムの家に人々を住まわせる大旦那はまだ良いが、大旦那の体調が悪いのを良いことに、親の威を借り好き放題やり始めるチンピラ旦那に引っかき回されつつ、貧しくとも正しく生きる人達の絆や、決意や喜怒哀楽をみせていく様は、力強く温かく、哀しく優しく、とても面白かった。
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