劇場公開日 1954年6月19日

「潜水艦映画の快作」地獄と高潮 sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0潜水艦映画の快作

2025年3月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

サミュエル・フラー監督はB級中心の独特な作風で知られていますが、今回は正攻法な作りでなかなか面白かったです。

音楽は映画音楽界に輝くニューマンファミリーのマエストロ アルフレッド・ニューマン、撮影は後にアカデミー賞3度ノミネートのジョー・マクドナルド、そして本作でアカデミー特殊効果賞受賞のレイ・ケロッグと、スタッフも一流どころを起用しています。

原爆を扱った海洋アクションで、リチャード・ウィドマークが期せずして任された艦長を頼もしく演じています。同じ潜水艦に乗船した紅一点の科学者(ベラ・ダルヴィ)が作品に強いインパクトを与えています。彼女の父のフランス人科学者役、どこかで見たなと思っていたら、「旅路の果て」のヴィクトル・フランサンじゃないですか!

潜水艦内の息苦しさや逆にハッチを開けた時の開放感、赤色照明の不穏な雰囲気など上手く表現されています。

また本作はシネマスコープサイズで撮影されており、潜水艦同士の一騎打ちや艦上から敵機を撃墜するシーン、冒頭とラストの大爆発(キノコ雲は抵抗感がありますが)など、シネスコ画面ならではの見応えのある絵作りとなっています。今回劇場での鑑賞が出来てとても良かったです。

sugar bread