地獄と高潮

劇場公開日:1954年6月19日

解説

レイモンド・A・クルーンが1954年に製作した原爆を扱うアクシ ョン・ドラマで、「ジェニーの肖像」のデイヴィッド・ヘムプステッドのオリジナル・ストーリーから「激情の断崖」のジェシー・L・ラスキー・ジュニアと「拾った女」のサミュエル・フラーが脚色、サミュエル・フラーが監督に当った。テクニカラー色彩撮影は「百万長者と結婚する方法」のジョー・マクドナルド、音楽も「百万長者と結婚する方法」のアルフレッド・ニューマンである。出演者は「ノックは無用」のリチャード・ウィドマーク、ポーランド生まれの新人ベラ・ダーヴィ、「渡洋爆撃隊」のヴィクター・フランサン、「百万長者と結婚する方法」のキャメロン・ミッチェル、「鬼軍曹ザック」のジーン・エヴァンス、「百万長者と結婚する方法」のデイヴィッド・ウェイン、スティーブン・ベカッシーなどである。

1954年製作/103分/アメリカ
原題または英題:Hell and High Water
配給:20世紀フォックス極東会社
劇場公開日:1954年6月19日

あらすじ

フランスの原子科学者モンテル教授(ヴィクター・フランサン) と令嬢ドニイズ(ベラ・ダーヴィ)の失踪が世界の話題となっているとき、マニラで沈船引き揚げに従事していた元アメリカ海軍士官アダム・ジョーンズ(リチャード・ウィドマーク)は旧友テイラー大佐に呼ばれて東京で、行方不明のはずのモンテル教授に会い、教授からテイラー大佐が北氷洋の共産軍基地を飛行機で偵察に行き、撃墜されたと知らされた。モンテル教授とジョーンズは潜水艦に乗り組んで北氷洋に向かった。艦は北氷洋に入って国籍不明の貨物船を発見、この船が原子爆弾爆発装置を積んでいることを知って尾行した。しかし、ジョーンズの艦も他の国籍不明の潜水艦に尾行されていた。艦内に水素ガスが充満して浮上すると、敵潜水艦も後を追って浮上し、ジョーンズの艦に停船を命じたが、彼はこれを無視して敵艦の発射する魚雷を避けながら再び潜水した。敵艦はなお執拗に攻撃を続けたが、ジョーンズは意を決して艦首を敵艦にぶつけて危く虎口を脱した。貨物船が着いた島に夜にまぎれて上陸したモンテルとジョーンズは中国兵の宿舎を見届けたが、監視兵に発見されて辛じて艦に逃れた。モンテル教授はこのとき傷を負った。潜水艦はついでケヴロック島に着き、ドニイズとジョーンズが上陸し、この島に原子爆弾の大倉庫があることを探り出した。艦に帰ったジョーンズは、中国兵捕虜から、中国軍がB29に原爆をつみ、朝鮮か満州を爆撃して罪をアメリカにきせようとしている計画を聞き出した。翌朝、B29が離陸すると見るや、ジョーンズはこれに射撃を加えて直ちに潜水した。撃たれた飛行機は再着陸しようとして大爆発を起こした。再び潜水艦が浮上したときは、ケヴロック島は爆発によって姿を消していた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第27回 アカデミー賞(1955年)

ノミネート

特殊効果賞  
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映画レビュー

3.5 地獄と高潮

2026年3月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

過去に地上波TVの深夜枠(フジTV夜のロードショー)等で時々放映されており、当時は監督がサミュエル・フラーだなんてことは何も知らずに、普通に観ていたのだが、殆ど記憶がなく。唯一鮮明に覚えていたのが、緊急で潜航しようとする潜水艦のハッチに乗組員の手が挟まってしまい、浸水が酷く、手を切り落とす以外に艦が助かる方法がないという暴力的で生々しいシーンで、今思えば実にサミュエル・フラーらしい演出である。何十年振りかで、コスミック出版から発売されている10本組DVDセットに本作が収められていたので観たのだが、オリジナルのシネスコサイズで観るのもはじめてだった。
フラーの前作で'50年代フィルムノワールの傑作「拾った女 ('53)」とはガラリと変わったシネマスコープ&テクニカラーの海洋冒険活劇であり、朝鮮戦争や東西冷戦をモチーフにした戦争アクションなのだが、殆ど架空のSF活劇といってもよい荒唐無稽さで、ほぼ全編が潜水艦内セット、スタジオに組まれた架空の島、潜水艦やB29爆撃機のミニチュアとプロセス合成というある意味、作り物の映画の面白さに徹した作品。ミニチュアを使用したレイ・ケロッグによる特殊効果がなかなか素晴らしく、同じ20世紀フォックス作品では、古くは、「海の征服者 ('42)」、本作の後だと海洋戦争アクションの最高傑作「眼下の敵 ('57)」やアーウィン・アレンの「地球の危機 ('61)」が有り、何れもミニチュアワークならではの楽しさで、確かに当時の20世紀フォックスが得意だったジャンルだ。考えてみれば、リチャード・フライシャー監督の傑作SF映画「ミクロの決死圏 ('66)」の潜航艇もそうだし。レイ・ケロッグ、L・B・アボット、アーウィン・アレン等がその後も活躍して、最終的には「ポセイドン・アドベンチャー ('72)」の豪華客船転覆シーンに繋がっていく感じが分かります。

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ナオイリ

3.0 潜水艦映画の快作

2025年3月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

サミュエル・フラー監督はB級中心の独特な作風で知られていますが、今回は正攻法な作りでなかなか面白かったです。

音楽は映画音楽界に輝くニューマンファミリーのマエストロ アルフレッド・ニューマン、撮影は後にアカデミー賞3度ノミネートのジョー・マクドナルド、そして本作でアカデミー特殊効果賞受賞のレイ・ケロッグと、スタッフも一流どころを起用しています。

原爆を扱った海洋アクションで、リチャード・ウィドマークが期せずして任された艦長を頼もしく演じています。同じ潜水艦に乗船した紅一点の科学者(ベラ・ダルヴィ)が作品に強いインパクトを与えています。彼女の父のフランス人科学者役、どこかで見たなと思っていたら、「旅路の果て」のヴィクトル・フランサンじゃないですか!

潜水艦内の息苦しさや逆にハッチを開けた時の開放感、赤色照明の不穏な雰囲気など上手く表現されています。

また本作はシネマスコープサイズで撮影されており、潜水艦同士の一騎打ちや艦上から敵機を撃墜するシーン、冒頭とラストの大爆発(キノコ雲は抵抗感がありますが)など、シネスコ画面ならではの見応えのある絵作りとなっています。今回劇場での鑑賞が出来てとても良かったです。

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