三人の名付け親のレビュー・感想・評価
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西部劇の装いでジョン・ウエイン主演の清教徒的使命達成劇
ジョン・フォード 監督による1949年製作(107分)のアメリカ映画。
原題:3 Godfathers、配給:メトロ日本支社、劇場公開日:1953年5月20日
ジョン・ウエインら銀行強盗3人組が、逃亡途中に瀕死の女性の出産に立ち会い生まれたばかりの赤子を、亡くなってしまった母親に託されるという異色の西部劇。名付け親となった荒くれ男達が、赤ちゃんの世話に右往左往する様が何とも微笑ましい。
砂漠の中を逃げる3人を追いかけて、チェスゲーム様に追い詰めていく保安官ウォード・ボンドとジョン・ウエインとの頭脳戦も、楽しめた。チェスをあいつとしたいと言っていたボンドが、捕まって牢獄内のウエインと実際にチェスを楽しんでいたのがご愛嬌。
水が殆ど無い砂漠の中、1人(ハリー・ケリー・Jr.Kid)は深い傷も負い、馬にも逃げられた3人が、サボテンから採取した水分で何とか生きながらえ、聖書の言葉を頼りに赤子のために必死に歩いて行くのが何とも清教徒的。ハリーとメキシコ人ペドロ・アルメンダリスは結局、力尽きて死んでしまうが、ジョン・ウエインは赤子と共に、亡くなった2人の励ます幻聴の中、何とか街に辿り着き、使命を果たす。
贖罪的な行為が理解され、裁判は最短の一年となり、その間赤ん坊を育ててくれる段取りも整う。西部劇ながら、宗教的な救いのある物語で、ジョン・フォード監督作らしいハートフルな映画であった。
監督ジョン・フォード、脚色ローレンス・ストーリングス、 フランク・S・ニュージェント
原作ピーター・B・カイン、製作ジョン・フォード 、メリアン・C・クーパー、撮影ウィントン・C・ホック チャールズ・P・ボイル、美術モーガン・ぺデルフォード ジェームズ・バセヴィ、音楽リチャード・ヘイグマン、 フランク・モラン Joseph I. Kane、編集ジャック・マレイ。
出演
ジョン・ウェインBob、ペドロ・アルメンダリスPete(メキシコ俳優)、ハリー・ケリー・Jr.Kid、ウォード・ボンドSweet(保安官)、ベン・ジョンソンDeputy、メエ・マーシュMrs. Sweet、ジェーン・ダーウェルFlorie、ドロシー・フォードRuby_Latham、ミルドレッド・ナトウィックMother、ガイ・キビーJudge、チャールズ・ハルトンLatham。
赤ちゃん大人気❗️
西部劇となると敬遠しがちだが、
赤ちゃんを抱いて砂漠を行く三人の男、
と、なれば観ようか。
強盗に入るくらいの悪人である筈なのに、
赤ちゃん、という生き物に対して
おどおどもし、可愛いプレゼントのような
気持ちも持ち、息を引き取る母親から
預かった。
アメリカ、行ったことないが、
今ならこんな砂漠ならば、車🚙でしか行かないだろう。
徒歩で行く三人。暑さもハンパない。
一人、一人、力尽きて行く。
しかし、仲間は倒れていくが、
赤ちゃんを生き延びさせなければならない。
自分たちは、空腹で倒れそうになりながらも、ミルクの時間を何回も確認し合う声かけにほのぼのし、
赤ちゃんをどうにかして守ろうとする気迫を感じた。
仲間二人が倒れるが、身体に何かかけてやれなかったのか、とか、町に着いてから、戻ってあげなかったのか、と思った。
赤ちゃんは大人気、で、この子を救ったおかげで罪も軽くなりそう。
被告で判決を待つ身で、保安官の家で和やかに食事するシーン、初めて観た。
裁判も居酒屋で。
赤ちゃんの養育権を巡っての保安官夫婦との話も双方、赤ちゃんを思う気持ちが溢れていて、またほのぼの。
素晴らしかった
砂漠を超えるのは相当な冒険で、しかも徒歩で赤ん坊を抱いてとなると命がけな危険な行為となる。追われる身でもある。3人の強盗は、ひどい犯罪者なのだけど後ろ暗さが全くなく明るく愉快で善良にすら見えるし、保安官と意気投合までする。
ジョン・ウェインが赤ん坊に対して親のような気持ちを抱いているのかどうか最後まで気になったのだけど、保安官と養育権争いをするほど執着を抱いていたのが分かり、とても暖かい気持ちになった。
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