三人の妻への手紙

劇場公開日:

解説

3人の若妻に届いた見知らぬ女からの手紙が元で起こる浮気騒動を描く人間喜劇。ジョン・クレンブナーとヴェラ・キャスパリーの原作の映画化で、脚本・監督はジョセフ・L・マンキウィッツ、撮影はアーサー・ミラー、音楽はアルフレッド・ニューマンが担当。出演はジーン・クレイン、アン・サザーン、リンダ・ダーネル、ジェフリー・リン、カーク・ダグラス、ポール・ダグラス、バーバラ・ローレンスなど。

1949年製作/103分/アメリカ
原題または英題:A Letter to Three Wives
配給:セントラル
劇場公開日:1950年5月9日

ストーリー

3人の若い人妻が遊覧船でピクニックに出かけようとしていたところに、見知らぬ女からの手紙が届いた。文面には「あなたたちの夫の1人と駆け落ちします」と書いてあった。帰宅して調べようにも、船はすでに動き始めていた。3人のうち誰が犠牲者なのかは夕方に帰るまではわからない。また、3人とも夫に逃げられても仕方がない理由を持っていた。デボラは農家の出身で、名門の子息ブラッドと不釣合な結婚をしたことを肩身に狭く思っていた。リタは貧乏な教師のジョージと結婚したが、彼の収入では家計が苦しく、ラジオ・ドラマの脚本家として夫以上の収入を得ており、それが原因で最近夫婦仲は気まずくなっていた…。

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映画レビュー

2.0「破れ鍋に綴じ蓋」

2023年10月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

あまりこの年代の作品は観ない評論子ですけれども。
評論子が入っている映画サークルの映画を語る会のお題作品に選ばれたことから、観ることになった一本でした。

映画の内容的には「破れ鍋に綴じ蓋」とでも言うのですか、作中に登場する夫婦は、それらはそれらで、上手く釣り合って、そこそこ円満にやっていっているのかも知れません。
作中では影も形も表さない、エディなる謎の女性(三人の妻のそれぞれの夫とは、何やら因縁浅からぬ様子)からの駆け落ち予告の手紙が巻き起こす騒動を描いたロマンチック・コメディという位置づけの作品のようですけれども。

作品の本筋とは何の関係もないのですが、本作を観終わって、評論子には、別の感慨の方が強い一本になりました。

それは、この時代は、男女の服装がはっきりと区別されていたことを、改めて実感したことでした。

おそらく、それは、本作には、パーティのシーンもたくさんあり、タキシード姿の男性や夜会服姿の女性が多く映し出されていたせいでしょうか。

令和の今でこそ「性の多様化」が言われ、服装もユニセックス(男女兼用)なものがたくさんありますが、この時代は「女の服装」・「男の服装」というものがハッキリと別れていて、両者に兼用という考え方は少しもなかったようです。
そして、それ故に、社会的な「女の役割」・「男の役割」ということもハッキリと別れ
ていて、両者が混交したり、交換可能であったりしたことは、なかったことだろうと思います。

本作中には、鉄道という世の中のあり様をすっかり変えてしまう可能性のあるアイテムが、おそらくは世に出現したばかりの位置づけで描かれていますし、三人の妻のうちの一人であるリタは、ラジオ(おそらく、これも当時は最先端の情報機器)の番組放送作家(?)としての職業をもつという珍しい立場にあるということで、世の中の変化の「兆し」も、チラリとは窺われるのですけれども。
(未婚の時期ならばともかく、この時代に自分の職業をもって、夫とは独立した収入のある既婚女性は、そうは多くはなかったはず。)

登場人物の服装や、舞台となっている部屋の調度など、全体としてゴージャスな雰囲気の作りとなっていることと併せて、本来は、ポップコーン・ムービー的な(失礼!)、お気楽ロマンチック・コメディという位置づけの作品なのでしょうけれども、評論子には「令和の今は、果たしてどうか。」という、反面教師的な一本に観えてしまったと言うことになります。

評論子の独断と偏見もいいところとは思うのですけれども、「映画の評は本来は自由」ということに甘えて、評の一つとしたいと思います。
映画comレビュアー各位のご海容をお願いします。

いちおう、良作としての評価としておきたいと思います。評論子的には。

<映画のことば>
(とある夫婦の会話)
夫「私の(蓄音機)は(レコードを)何枚もかけられる。中国の放送も入る。テレビも(映る)。」
妻「テレビ局がないじゃない。」
夫「(テレビが映るのは)この町で1台だ。」
妻「まるで無駄ね。」
夫「テレビ局を作れとでもいうのか。」
妻「その大声で充分よ。」

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talkie

3.5脚本、3組の夫婦のキャラクター設定、台詞回しが良く出来ている。謎の...

2021年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

脚本、3組の夫婦のキャラクター設定、台詞回しが良く出来ている。謎の女性エディも粋で、最後まで興味の途切れない作品だった。

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tsumumiki

5.0マンキーウィッツの〈語り口〉

2020年6月11日
Androidアプリから投稿

マンキーウィッツ監督は脚本家としても活躍してたらしいので〈台詞〉にこだわりがあり、面白い
そして フラッシュバック、ナレーション(モノローグ)を多用した〈語り口〉で引き込む

三人の妻とその夫、妻達の天敵(?)である謎の美女アディが主要な登場人物

農村出身の優等生美人妻デボラは コンプレックスを抱えている

双子を育てながら ラジオ脚本を書くうちに業界に毒され、拝金主義に走るリタは薄給の教師の夫の転職を画策する
(夫の天職は 教師)

経営者でもある年上の上司の安易な誘いに乗らず
(しかし 誘惑しながら)結婚に漕ぎつけた利口で駆け引き上手な妻ローラ・メイ
この利口さが夫の疑惑も招く
(意外とピュアな夫)

やはり最後のエピソードが一番面白い
演じるリンダ・ダーネルが 色っぽいというか、あだっぽいというか… 華があるし
減らず口も素敵
煙草の吸い方もサマになってる
(もらい煙草ばかりしてる!)
(ダーネルは自宅火災で41才で死亡、煙草の不始末説あり)

彼女のややハスキーな声も素敵だった
(寄越した手紙はアレだが)天敵アディのモノローグは意外とサッパリ、アッサリしてる
(声だけ出演は セレステ・ホルム)

カーク・ダグラスが 理想的な教師の夫を演じており、彼の台詞に監督の本音が見える

リッター・マイヤーの家政婦サディの存在とローラ・メイの揺れる実家が笑わせてくれました
マンキーウィッツがこれでアカデミー賞の 監督賞と脚色賞を獲得したのは 当然のことと思われます

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jarinkochie

4.03人のうちの誰かのご主人と駆け落ちします

2013年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

幸せ

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shimo

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