サンダーバード6号のレビュー・感想・評価
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0018 パーカー大活躍!もう死にそう
1967年公開
サンダーバード劇場版第二弾
(1作目はよう覚えておらんのでパス)
世界を一周するスカイシップが
東武ワールドスクエアを訪れる。(嘘です)
悪漢がペネロープの声を編集しサンダーバードを出動させるも
1号2号の敵ではなく木っ端みじん。
空中で動きをとれなくなったスカイシップからの脱出は
人形劇とは思えないハラハラさ満開。
最後のオチもよかったです。
80点
黒柳徹子
ペネロープは黒柳徹子なのだが、35年も前なのに、今よりも老けた声だ。インドの蛇つかいが吹く笛の音もサンダーバードのテーマソングになっているところが面白い。本来のメカはそれほど動かずに、セスナ機中心に活躍してる。しかもかなりの実写を使っている。
ストーリー自体は大した事ないが、ペネロープの声を録音しそれを繋ぎ合わせてサンダーバードをおびき寄せるという、当時としては画期的な内容・・・この遊びよくやったなぁ・・・時代の先端を行っていた?
怪獣総進撃とほぼ同時公開の作品です
1968年8月日本公開
日本では東宝特撮の怪獣総進撃とほぼ同時公開
英国の公開ともほぼ同時
テレビシリーズは日本では1966年4月から1967年4月にNHK で放映、3ヶ月後に今度はTBSで1967年7月から1968年10月にかけて再放送
本作はその再放送中での公開です
前作の劇場版は前年1967年7月の日本公開
テレビシリーズは人気爆発でプラモデルもガンプラ並の大ヒットでしたら、その余韻の中で劇場版公開でした
人気はまだまだありましたが、本作公開の頃は流石に飽きられつつありました
というのもジェリーアンダーソンの新作キャプテンスカーレットが1968年1月から8月にかけて放映されていたからです
本作公開はその終了間近の頃です
キャプテンスカーレットの方がハードな内容、メカもさらに精巧になっていましたから、サンダーバードはもう今更という感じでした
内容もサンダーバード6号!どんな凄いメカなのかと期待したら複葉機というオチなので子供心にも盛り上がりません
さて特撮です
同時期の怪獣総進撃と比べると、明らかに本作の勝ちです
例えばスカイシップの模型を東宝特撮が作ったらどうでしょう?
序盤でバージルが油絵で描いたようなものになっていたはずです
この模型の細部までのこだわりは、人形劇で有った事に由来するのでしょう
人形は大画面のアップで、どの方向から撮られても本物らしく見えないとならないのです
肌の表現は色、光沢、質感、シワのより方までこだわらないとならないのです
それと同じ努力がメカなのか模型にも、ミニチュアセットにもこだわりと愛情を込めて製作しているのがはっきり伝わります
模型作りという日本人の得意分野で負けていたのです
ジェリーアンダーソンはこのメカのモデルを精巧に見せる技術、背景のマットペイント、ジェットの噴煙、爆発シーンでの爆炎表現と破片の手前側への飛散などは特に東宝特撮に勝っています
また実物と模型特撮のミックスを効果的に行っており、なんでもミニチュアでやろうとする東宝特撮とは違っています
またカメラの球面レンズの使用、光源の位置のこだわりなども東宝特撮より数歩進んでいます
東宝特撮はこの時期ジェリーアンダーソンに誰か若手を勉強に派遣させるべきであったと思います
円谷英二はサンダーバードに追いつけと、スタッフにハッパをかけていたそうです
明らかに影響を受けて対抗して出したのは、1968年4月からテレビ放映が始まったマイティジャックです
その特撮は従来のものよりかなりレベルを上げていたのですが、それでも差が埋まっていません
彼我の特撮技術の差はさらに開きつつあるということが本作で確認する事ができます
しかもこの1968年の4月には2001年宇宙の旅と猿の惑星という特撮界の黒船がきていたのです
2001年宇宙の旅の特撮撮影は主にロンドンでした
モーションコントロールカメラによる新時代の特撮を学ぶ必要があったのです
ジェリーアンダーソンは地元だけに、これらの新技術にも触れて特撮の時代が変わって来たことを察知して次の事を考えていたと思います
それは人形劇を捨てることです
彼らの核心的な伝統を捨て去る決断を固めつつあったのです
それは東映の日米合作映画1968年12月公開のガンマー第3号 宇宙大作戦と、東宝の日米合作映画1969年7月の緯度ゼロ大作戦の影響も
少なからずあったと思います
この日本特撮の二つの作品が彼に危機感を与えたのだと思うのです
日本の特撮界がジェリーアンダーソン作品を人形劇だとみなして特撮映画とは見ていなかったように、ジェリーアンダーソンもまた日本の特撮は東洋人が出演する映画だから、欧米市場ではそう売れないので関係ないと思っていたと思います
ところが先の二作のように日米合作で俳優が西洋人になれば、日本の特撮映画が欧米市場に流れ込んでくるかも知れないのです
ちょうど当時は日本製の電機製品が欧米にどんどん輸出されていた頃でもあったのです
そうなれば彼の作る特撮はやっぱりただの人形劇でしかないとなってしまう
いくら良い特撮で、日本に勝る映像を作っていてもそう評価されてしまう!
そのような危機感です
その危機感が彼に人形劇を捨てさせ特撮映画に専念するという決断をさせたのではないでしょうか?
その決断は、謎の円盤UFOという不朽の名作となって私達のまえに現れることになるのです
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