サリヴァンの旅のレビュー・感想・評価
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リアル・ライフ体験‼️
エルンスト・ルビッチやフランク・キャプラ、ビリー・ワイルダー監督に比べたら、明らかに過小評価されているプレストン・スタージス監督の最高作‼️「レディ・イヴ」や「殺人幻想曲」も捨てがたいんですが、やっぱり「サリヴァンの旅」ですね‼️いろんな意味で‼️娯楽映画で成功を収めてきたジョン・サリヴァンは、心機一転、シリアス作品を手掛けることに。そのためには実際の現実社会を知らねばと、社会勉強の旅に出発する・・・‼️すさまじくおかしく、また哀しい作品‼️まずは劇中劇のアクション活劇‼️痛快です‼️そして、サリヴァンの車を映画会社の面々がワゴンで追跡する派手なカーチェイス‼️スピーディーなスラップスティック・コメディっぽい演出‼️サリヴァンとヒロインが出会ってからは王道のロマコメ‼️男女の掛け合いがホント楽しい‼️サリヴァンが浮浪者生活を送る後半はシリアスでドキュメンタリーっぽい‼️サリヴァンが暴漢に襲われるシーンはノワールな犯罪映画調‼️一皮むけたサリヴァンが映画監督として復帰するラストのハッピーエンドまで、様々なジャンルの持ち味が堪能出来るスクリューボール・コメディの決定版ですよね‼️ウィリアム・ワイラー監督の「デッド・エンド」やアルフレッド・ヒッチコック監督の「海外特派員」など、以外に名作の主演が多いジュエル・マックリーのサリヴァンが魅力的‼️そしてそして、ヒロインを演じるベロニカ・レイク‼️その流れるような美しすぎるブロンド・ヘア‼️そのあまりの美しさに映画であることを忘れてサリヴァンに嫉妬してしまう私‼️あー、情けない‼️
私はなぜ映画を作るのか
いかにも映画でござい〜という感じの機関車シーンから始まったので、これ大丈夫か?と思っていたら、それがちゃんと伏線と導入になっているという。機関車に乗って機関車に押し込まれて、身の詰まった作画作劇ができるようになる映画監督の物語。真面目なヒューマンストーリーを想像してたら、けっこう笑わしに来た!
お金を配るとはなんと傲慢な、と思ったが、それが裸一貫身にしみる体験に転じていく様子が面白かった。
貧乏修行
冒頭クレジットで喜劇人への謝辞が告げられる。
”いつでも私たちを笑わせてくれた人たちへ
国や時代を問わずすべての香具師、道化師、芸人たちへ
疲れた心を癒してくれた彼らにこの映画を捧げる”
ビバリーヒルズの豪邸に暮らす若手の映画監督が娯楽映画より社会派のシリアス・ドラマ(オー・ブラザー!)を撮りたいと悩み始める、”貧乏なんて知りもしないのに作れるか”との幹部の諫めに貧乏体験の放浪の旅を思いつく、ストイックな話かと思ったら、いきなり苦行でなく徐々に深みにはまるプロットは秀逸。主役は映画監督、色を添えるヒロインは夢の叶わぬ女優志願だし映画作りが主題だから映画への思い入れも半端ない。
無声映画の頃から爆走する機関車は活動写真の大スターだった。冒頭から007のアバンタイトルばりの機関車の上での格闘シーンから終盤の教会での映画上映、作品はなんとプルートとミッキーマウスのアニメーション(1934)だった、束の間、囚人たちも黒人牧師も童心に返り大笑い。
冒頭の謝辞からすればチャップリンあたりなのだろうが許可が取れなかったそうだ、だとすると謝辞はあてつけの意味もあったのだろうか・・。
劇中に登場した新作「オー・ブラザー!」は同タイトルで2000年にコーエン兄弟によりオマージュされました。冒頭とラストをハリウッドの重役たちとの本音トークで括ったところは「マジェスティック(2001)」を思い出しました。
現代劇顔負けのカーチェースもありペーソスあふれる笑いや人情劇など、映画の魅力のエッセンス、軌跡へのリスペクトに溢れています、映画好きにはたまらない楽しい映画でした。
「頭でコメディを作っていた青年監督が心でコメディを作れるまで」を描いて、コメディの名匠が何故日々の明け暮れにあくせくする人々にコメディが必要なのかをコメディの形で表現する重層的なコメディの佳作
①冒頭の映画中映画のアクションシーン、現在のアクションシーンに勝るとも劣らないアクションのスピード感はどうだ。②映画の前半半ばのこの映画一のスクリューコメディシーンの鮮やかさ。ブルースクリーンを多用しているのに関わらずそのスピード感・ハチャメチャ感は現代の映画でもみったにみれないもの。これが80年も前の映画だと驚かされる。逆に言えば特撮技術が進歩しただけでアクションシーンの撮り方ははあまり進歩していないということだ。②
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