「楽園なんてない」ザ・ビーチ(2000) プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
楽園なんてない
ディカプリオは旅先で狂気の男に会い、楽園の地図を手に入れる。
半信半疑ながら別の旅行カップルを誘って、孤島であるそこへ行くと、本当に楽園があった。
サルという女が自治しており、マリファナ吸い放題で自由に生活できる。
ディカプリオはサメを退治した事をきっかけにヒーローになり、サルとも恋仲になる。
が、この楽園に人が殺到することを防ぐため、その存在は知られてはならない。
ディカプリオは島に来る前、地図のコピーを見知らぬ人に渡していた。
これがバレ、急に扱いが悪くなる。一方地図を頼りに来た人達は島のメンバーにより殺される。
この事件は島の管理者に知られることとなり、サルはディカプリオを殺すか全員で島を出るかの選択を迫られる。
メンバー達は島を出るのを拒み、またサルも引き金を引いた。
実は弾は入っていなかったが、メンバーをも殺すサルの姿に、サル以外の全員は島を後にした。
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楽園が存在するのなら誰でもそこに行きたいのは当然のこと。
そこにいる人間以外にその存在を知られるのはタブーであり、それを破った者を殺すのも当然のものだと思う。
楽園とはいえ、厳しい規律がなければ成立しない。サルがディカプリオを殺すのは正しい。
実はサルはディカプリオ以前にも仲間を見殺しにするという冷酷さを見せていたが、これは自治を担うリーダーとしては当然の行動だと思う。
それがなければ自治なんて不可能。血の掟のない所に統率はないだろう。
結局島のメンバーはそういう事を認識もしていない、ただ遊んで暮らしたいだけの烏合の衆で、一枚岩の組織ではなかったということである。
結論としては、世の中本当意味での自由というか、楽して幸せになれる世界なんてありえない、という話。平凡な人間は平凡な世界に帰って平凡な日常を過ごすべし。