サスペリア(1977)のレビュー・感想・評価
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美少女をキャーキャーいわす様式美 (ホラー川柳)
「決して一人では見ないでください」のやつですね!
実はちょっと『フェノミナ』と勘違いしておりまして、「あれ、ジェニファーじゃないぞ?」と混乱してしまい、「シザーマンは出ないのか」とがっかり(いや『フェノミナ』にも多分出てないから)。
色使いと音楽の主張が激しいので、それが不協和音となって不安感を煽ってくる。虫もね。グロというか痛い描写は頑張ってるというよりはなんだろう…はりきってる?
絶妙な色彩感覚が恐怖を煽る
ドイツの名門バレエ学院に入学するためにNYからやってきたスージー。
寄宿舎暮らしでの学園生活にて巻き起こる奇怪で凄惨な数々の事件や事故を描いたホラー映画。
2019年のリメイク作品公開もあってリバイバル上映が多く行われた今作。
1977年という時代もあってか、映像の質の粗さや光度の低いシーンなどで怖さが倍増、さらには天井に蛆虫が沸き散らかす、針山の上でのたうち回る女生徒をめった刺しにするという残酷でグロテスクな描写で、精神的肉体的な怖さは想像以上の作品だった。
終盤には学院の奥深くへと進んでいく中で、発覚した秘密があまりにもスピリチュアル過ぎてついていけなかったが、終盤10分に詰め込まれた怒涛のラストで鑑賞後はホラー映画には珍しく口ポカーン状態だった笑。
ゾクゾクザワザワ
魔女三部作第1作。
レンタルDVD(4Kレストア版)で鑑賞(字幕)。
キャッチコピーでは決してひとりで観ないでと謳っていましたが、ひとりで鑑賞。観ている間、ずっと心も体もゾクゾク、ザワザワしていました。否応無しに不安を高めて来る巧みなBGM。赤の派手さが禍禍し過ぎる学院のデザイン。思わず顔が引き吊る恐怖描写。…どれを取っても素晴らしく、言ってしまえば不快の極み。特に蛆虫にヒェーッ(笑)。
周囲で次々と不可解なことが起こるも、本格的に主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)が事件と向き合い始めるのは終盤間近であり、珍しい構成だと思いました。
それにしても、被害者たちの死に方のエグさ、堪らない。グロ趣味全開でした。滅多刺しからの天窓突き破って首縊り、盲導犬に食い殺される、鉄条網血まみれ地獄…ギェーッ(笑)。
エンドロールに被り続ける学院の火災に飲み込まれる人々の悲鳴、耳に残って離れません。ホラーをあまり観ないせいか、全体的にトラウマ過ぎて、もう二度と観ないかもしれません。
※修正(2024/06/06)
芸術性こそを堪能すべき作品であると思います
4Kリストア版の値打ちのある色彩でした
エクソシストやオーメンに次ぐホラー映画の有名作品にも関わらず、近年なかなか観る事ができなかった作品ですから今回の4Kでの色彩の鮮やかさ、音響の鮮明さは大変有意義なことで関係者の皆様に感謝です
ひとりでは決して観ないで下さいの宣伝文句は伊達ではありませんでした
お話は基本ローズマリーの赤ちゃんを思わせます
そこに本作公開の前年にヒットしたブライアン・デ・パルマ監督のキャリーでの色彩効果と女学生を主役に据える作りを合体させたものと言えます
美術のレベルが凄まじく高くため息がでます
アールデコ調の室内セットは、色彩、幾何学的パターン、花や植物をモチーフにしたデザインで徹底して統一されています
調度品や壁紙、小物の小道具に至るまで、神経が行き届いており見事につきます
壁紙にはグスタフ・クリムト風の紋様と色彩が見られます
ドアの天窓はエクトール・ギマールのパリの地下鉄の入口のデザインを思わせます
冒頭の夜の空港のモダニズムとの対比が効いています
空港の自動ドアを出るとき、外から風が吹き寄せて長いスカーフの両端が両腕のように彼女の背中に回ります
これからサスペリアの世界に拉致されていく恐怖の予感の演出が素晴らしいです
この腕の暗示が、最初の惨劇シーンの始まりの伏線にもなっています
そして、イタリアのプログレッシブロックの雄ゴブリンの素晴らしい音楽と音響
地の底の亡霊達のうめき声のような環境音楽と言うべきものは、40年以上昔にも関わらず今なお現代的で最先端です
何より色彩と照明の効果は舞台的で、とくに色彩をこれでもかと強調する画面構成は斬新そのものです
スポット照明が投影する色彩の計算は見たことないもので、唯一無二の映像体験です
夜の豪雨の中を走るタクシーのはねあげるしぶきがまるで鮮血の血吹雪のように見えます
練習場を避難所にしたシーンでの、消灯後の白いシーツの間仕切りが、真っ赤に補助灯に染まる演出も声が出そうなほどに美しいものでした
ストーリーやプロットの細かい整合性を追及する作品ではありません
ホラー映画としての怖さや過激さを競う作品でもありません
この芸術性こそを存分に堪能すべき作品であると思います
それこそが本作を永遠の価値をもたらしている点であると思います
ひとりで見に行きました
深夜の空港で降り立ったシーンがなぜだか一番印象に・・・嵐になっているタクシー乗り場でようやく拾ったタクシーは英語がなかなか通じない。「決してひとりでは見ないでください」という当時のキャッチコピーが独り歩きしているほど有名な映画だったが、今見るとしょぼくて信じられない・・・
スージーが到着した夜にパットという生徒が何者かによって惨殺。夜遅かったために宿舎に入れてもらえなかったが、パットが叫んだ「秘密」という言葉が気になっていた。血の色は赤というより朱色。殺害現場は朱色を基調とした部屋にマッチしたかのような凄惨な死体に仕上がったのだ。後半は赤、青、緑、黄色などの光の原色が使い分けられている。まるで照明の極彩美だけで映画を語ってるかのように・・・
第二の殺人までにうじ虫の恐怖が描かれているのですが、これも怖いシーンの一つ。そしてゴブリンの金属感のある音楽なんてのも評価すべきものの一つ、かつての有名な魔女ヘレナ・マルカスが生き残っていた!とか、それをいとも簡単に殺してしまうスージーは最高でした・・・
それにしても、うじ虫はいったい誰が仕組んだものなのか・・・謎は解明されてない・・・オカルト殺人はしょうがないとしても。
久しぶりに見て、やっと内容を理解した
子供の頃以来だから久しぶりに観たけど、こういう映画だったんだなー。
子供の頃は怖かった気がするけど、今見直すとそうでもないし、昔は気にならなかったけど、とにかく音楽がうるさいのにビックリ。
BGMなのに、映像より前に出てるっていうw
主演のジェシカ・ハーパーは可愛かった。
極彩色
名門バレエ学院の変。
スパルタ先生とマダム、使用人と子供、絶対に裏があるのがすぐ伝わってくる雰囲気が好き。
何が何だかわからないまま起きていく事の一つ一つが気持ち悪くて恐ろしい。
ウジ虫大量発生のシーンは鳥肌が立った。これからは髪の毛に櫛入れる前に確認しよう。
なぜ腐ったのか。絶対に理由があるはず。
秘密を知るのも、知ろうとする好奇心と猜疑心さえ既に罪。知らぬが仏、一歩踏み入れれば最後。
怪死していく人への執拗な追い方が個性的でスリル満点。思い切った先の針金塗れなんて最悪じゃない。冒頭の死に様も残酷極まりない。
追手の身体がそれまでの犠牲者の死体だったりすると面白いな。
しかし案外さらっと刺さって連帯で倒れていくのには少し拍子抜け。
お得意の執念を今ここで発揮しないでどうするの。
もっと苦しみたかったかな、なんて思いつつホッとしているのも事実。
スージーの口唇の下にある、蛇の牙のような突起が気になる。
何か暗い力を知らぬ間に受け継いでいたら胸熱だな。
分かりにくいことも多く、色々な要素を自分なりに解いて考えていくのが面白い作品。
立体音響がすごい。迫り来る音圧が身体にガンガンに鳴り響いてくる。
流石に古いので作品自体の怖さはそこまで強くないけれど、音によって強制的に恐怖に引きずり込まれる感覚になった。
極彩色のセット美術やライティングの凝り方が素晴らしく、本当に美しかった。
新文芸坐オールナイト上映にて。この作品を劇場で観られて良かった。リメイク版も楽しみ。
このご時世では怖くはない
映像と音楽のセンスだけで一切ストーリーもなく、「たまたま通った学校がめっちゃヤバかった!びっくり!」ってだけの事を映画にしてここまでの地位を獲得したダリオアルジェントは、やはり鬼才なのではないでしょうか。
雨にうたれながら見せる主人公の笑顔も、お化け屋敷に入った人が「なかなか楽しかったわぁ!」と言わんばかりな印象を受けます。
間違いなくビジュアル重視の作品なので、ストーリー性を求めているのなら観なくてもいいと思いますよ。
バレエの魔女
イタリアン・ホラーの名匠、ダリオ・アルジェントの出世作で、“魔女三部作”の第一作目。1977年の作品。
ドイツのバレエ学校に入学した少女を襲う奇怪な殺人事件…。
さすがに“決して一人で見ないで下さい”のリアルタイム世代ではなく、恐怖描写も残酷描写も今見るとそれほどではない。(今のが無駄に過剰過ぎるだけ)
なので、初見の方は怖さを期待すると肩透かしに感じるかもしれないが、この異様な雰囲気にこそ酔う。
謎の言葉を発する冒頭の逃亡少女に始まり、何処か普通ではない副校長やバレエ教師…何かこの学校にはある。
ウジ虫の大量発生や犬に噛み殺される盲目のピアニストなどが拍車をかける。
逃亡少女の言葉をヒントに、主人公スージーが見たものは…!?
赤を強調した映像美は芸術的でもあり、ゴブリンの音楽が印象に残る。
残念
正直な話面白くない。
ただただ音楽うるさい。
結構評価高いから、楽しみしてたがガッカリした。
まぁ当時の事を考えると、リアルタイムで観てた人たちにはかなりの衝撃を与えたでしょう笑
他の人にオススメしようとは全く思わなかったよ
決して、ひとりでは見ないでください?
公開当時「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチコピーや1000万円のショック保険などの話題で有名になったダリオ・アルジェントのホラー・ムービー。
しかし、公開から30年以上が経過し、こちらがすっかり残酷描写に慣れてしまったせいなのか、魔女伝説といっても日本人にはピンと来ないせいなのか、恐怖はほとんど感じられなかった。
バレエ学校の外観や廊下の赤、ネオンの赤、血の赤(ただし、この赤は朱赤に近くていかにも作り物っぽいので萎える。本物の血はもっと赤黒い)など、“赤”の多用は後のデヴィッド・リンチ作品などに影響を与えているのかもしれないなと思った。
結局、一番気味が悪かったのは、天井から蛆虫が落ちて来るシーン(髪に蛆虫が絡まってたら、誰でもギャーギャー騒ぐ!)で、
一番不気味だったのは、冒頭ヒロインのスージーがドイツのエアポートに到着し、自動ドアから土砂降りの外へ出た後にドアが閉まるアップだった。
あのシーンは、ヒロインが遭遇する惨劇の前兆として秀逸なシーンだったと思う。
ゴブリンの音楽も有名だが、これは時代を経ても、不気味に響いている。
怪しげな役柄のイメージが強い若き日のウド・キアが至極真っ当な精神科医役で出演。
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