サスペリア(1977)のレビュー・感想・評価
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イタリアンホラー
1977年作 「サスペリア」Suspiria
『決してひとりでは見ないでください・・・」が
キャッチコピーでしたね。
初めて劇場で観たホラー作品です。
監督は、ダリオ・アルジェント
ヒロイン、スージー・バニオン(ジェシカ・ハーパー)が
ドイツのバレエ学校に入学する為
NYから到着。
オープニングの空港のシーンから
不気味な雰囲気で
空港の外は、どしゃぶりの雨
もうそれだけで恐怖が増す感じです。
タクシーで、バレエの名門校に到着すると
女生徒パットが怯えながら出て来て
「青いアイリスを回して・・・扉の陰に秘密が・・」
追い返されたスージーが
翌日、学院を訪ねると
現在海外旅行中という校長の代理の
副校長マダム・ブランク(ジョン・ベネット)と
厳格な主任教師ミス・タナー(アリダ・バリ)が出迎えてくれるが
入学初日に 体調がおかしくなるスージー
学院の生徒のひとり サラ(ステフォニア・カッシーニ)と
仲良くなり 学院の様子を知ってゆくことに・・・
そして、学院の秘密を暴こうとするスージー達に
魔の手が迫り・・
アルジェント監督作品は、映像美が有名で
この作品は、「赤」を基調とした演出で
学院の館の色も赤でした。
息を呑む残酷シーンもりますので
ご注意を・・(^▽^;)
ゴブリンの演奏した音楽も
恐怖映画の音楽とは思えないほどの美しいメロディ
それも、強く印象に残っています。
濃ゆいカルト作。
うわぁぁ、なんだよ、この映画。オープニングからスッゴイ色々とぶち込...
【”黒の女王が、緋色のシンメトリックな館で行っていた忌まわしき事”ダリオ・アルジェント監督の天才的な音響効果の使い方、芸術性の高い意匠の美しさに引き込まれる作品。】
ー 内容は、巷間に流布しているので、割愛ー
■久しぶりに観た感想
・”ゴブリン”のイタリアン・プログレッシブ・ロックをバックに、縦横無尽に流し、スタイリッシュな映像の中、繰り広げられる惨劇の数々。
・ニューヨークからドイツにやって来た、バレリーナ志望のスージーや、バレエ学校の美しき女性達が、次々に襲われる様を、サディスティックに描いていく。
シンメトリックな館の中に、飛び散る鮮血。
・ヒロイン達を、精神的に追い込んでいく、音響、意匠、美術が素晴しい。
<ルカ・グァダニーノ監督が、2018年に発表したダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン出演の同名作品と比較するのも面白き、スタイリッシュホラーの嚆矢的作品。>
美少女をキャーキャーいわす様式美 (ホラー川柳)
絶妙な色彩感覚が恐怖を煽る
ドイツの名門バレエ学院に入学するためにNYからやってきたスージー。
寄宿舎暮らしでの学園生活にて巻き起こる奇怪で凄惨な数々の事件や事故を描いたホラー映画。
2019年のリメイク作品公開もあってリバイバル上映が多く行われた今作。
1977年という時代もあってか、映像の質の粗さや光度の低いシーンなどで怖さが倍増、さらには天井に蛆虫が沸き散らかす、針山の上でのたうち回る女生徒をめった刺しにするという残酷でグロテスクな描写で、精神的肉体的な怖さは想像以上の作品だった。
終盤には学院の奥深くへと進んでいく中で、発覚した秘密があまりにもスピリチュアル過ぎてついていけなかったが、終盤10分に詰め込まれた怒涛のラストで鑑賞後はホラー映画には珍しく口ポカーン状態だった笑。
ゾクゾクザワザワ
魔女三部作第1作。
レンタルDVD(4Kレストア版)で鑑賞(字幕)。
キャッチコピーでは決してひとりで観ないでと謳っていましたが、ひとりで鑑賞。観ている間、ずっと心も体もゾクゾク、ザワザワしていました。否応無しに不安を高めて来る巧みなBGM。赤の派手さが禍禍し過ぎる学院のデザイン。思わず顔が引き吊る恐怖描写。…どれを取っても素晴らしく、言ってしまえば不快の極み。特に蛆虫にヒェーッ(笑)。
周囲で次々と不可解なことが起こるも、本格的に主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)が事件と向き合い始めるのは終盤間近であり、珍しい構成だと思いました。
それにしても、被害者たちの死に方のエグさ、堪らない。グロ趣味全開でした。滅多刺しからの天窓突き破って首縊り、盲導犬に食い殺される、鉄条網血まみれ地獄…ギェーッ(笑)。
エンドロールに被り続ける学院の火災に飲み込まれる人々の悲鳴、耳に残って離れません。ホラーをあまり観ないせいか、全体的にトラウマ過ぎて、もう二度と観ないかもしれません。
※修正(2024/06/06)
芸術性こそを堪能すべき作品であると思います
4Kリストア版の値打ちのある色彩でした
エクソシストやオーメンに次ぐホラー映画の有名作品にも関わらず、近年なかなか観る事ができなかった作品ですから今回の4Kでの色彩の鮮やかさ、音響の鮮明さは大変有意義なことで関係者の皆様に感謝です
ひとりでは決して観ないで下さいの宣伝文句は伊達ではありませんでした
お話は基本ローズマリーの赤ちゃんを思わせます
そこに本作公開の前年にヒットしたブライアン・デ・パルマ監督のキャリーでの色彩効果と女学生を主役に据える作りを合体させたものと言えます
美術のレベルが凄まじく高くため息がでます
アールデコ調の室内セットは、色彩、幾何学的パターン、花や植物をモチーフにしたデザインで徹底して統一されています
調度品や壁紙、小物の小道具に至るまで、神経が行き届いており見事につきます
壁紙にはグスタフ・クリムト風の紋様と色彩が見られます
ドアの天窓はエクトール・ギマールのパリの地下鉄の入口のデザインを思わせます
冒頭の夜の空港のモダニズムとの対比が効いています
空港の自動ドアを出るとき、外から風が吹き寄せて長いスカーフの両端が両腕のように彼女の背中に回ります
これからサスペリアの世界に拉致されていく恐怖の予感の演出が素晴らしいです
この腕の暗示が、最初の惨劇シーンの始まりの伏線にもなっています
そして、イタリアのプログレッシブロックの雄ゴブリンの素晴らしい音楽と音響
地の底の亡霊達のうめき声のような環境音楽と言うべきものは、40年以上昔にも関わらず今なお現代的で最先端です
何より色彩と照明の効果は舞台的で、とくに色彩をこれでもかと強調する画面構成は斬新そのものです
スポット照明が投影する色彩の計算は見たことないもので、唯一無二の映像体験です
夜の豪雨の中を走るタクシーのはねあげるしぶきがまるで鮮血の血吹雪のように見えます
練習場を避難所にしたシーンでの、消灯後の白いシーツの間仕切りが、真っ赤に補助灯に染まる演出も声が出そうなほどに美しいものでした
ストーリーやプロットの細かい整合性を追及する作品ではありません
ホラー映画としての怖さや過激さを競う作品でもありません
この芸術性こそを存分に堪能すべき作品であると思います
それこそが本作を永遠の価値をもたらしている点であると思います
ひとりで見に行きました
深夜の空港で降り立ったシーンがなぜだか一番印象に・・・嵐になっているタクシー乗り場でようやく拾ったタクシーは英語がなかなか通じない。「決してひとりでは見ないでください」という当時のキャッチコピーが独り歩きしているほど有名な映画だったが、今見るとしょぼくて信じられない・・・
スージーが到着した夜にパットという生徒が何者かによって惨殺。夜遅かったために宿舎に入れてもらえなかったが、パットが叫んだ「秘密」という言葉が気になっていた。血の色は赤というより朱色。殺害現場は朱色を基調とした部屋にマッチしたかのような凄惨な死体に仕上がったのだ。後半は赤、青、緑、黄色などの光の原色が使い分けられている。まるで照明の極彩美だけで映画を語ってるかのように・・・
第二の殺人までにうじ虫の恐怖が描かれているのですが、これも怖いシーンの一つ。そしてゴブリンの金属感のある音楽なんてのも評価すべきものの一つ、かつての有名な魔女ヘレナ・マルカスが生き残っていた!とか、それをいとも簡単に殺してしまうスージーは最高でした・・・
それにしても、うじ虫はいったい誰が仕組んだものなのか・・・謎は解明されてない・・・オカルト殺人はしょうがないとしても。
久しぶりに見て、やっと内容を理解した
極彩色
名門バレエ学院の変。
スパルタ先生とマダム、使用人と子供、絶対に裏があるのがすぐ伝わってくる雰囲気が好き。
何が何だかわからないまま起きていく事の一つ一つが気持ち悪くて恐ろしい。
ウジ虫大量発生のシーンは鳥肌が立った。これからは髪の毛に櫛入れる前に確認しよう。
なぜ腐ったのか。絶対に理由があるはず。
秘密を知るのも、知ろうとする好奇心と猜疑心さえ既に罪。知らぬが仏、一歩踏み入れれば最後。
怪死していく人への執拗な追い方が個性的でスリル満点。思い切った先の針金塗れなんて最悪じゃない。冒頭の死に様も残酷極まりない。
追手の身体がそれまでの犠牲者の死体だったりすると面白いな。
しかし案外さらっと刺さって連帯で倒れていくのには少し拍子抜け。
お得意の執念を今ここで発揮しないでどうするの。
もっと苦しみたかったかな、なんて思いつつホッとしているのも事実。
スージーの口唇の下にある、蛇の牙のような突起が気になる。
何か暗い力を知らぬ間に受け継いでいたら胸熱だな。
分かりにくいことも多く、色々な要素を自分なりに解いて考えていくのが面白い作品。
立体音響がすごい。迫り来る音圧が身体にガンガンに鳴り響いてくる。
流石に古いので作品自体の怖さはそこまで強くないけれど、音によって強制的に恐怖に引きずり込まれる感覚になった。
極彩色のセット美術やライティングの凝り方が素晴らしく、本当に美しかった。
新文芸坐オールナイト上映にて。この作品を劇場で観られて良かった。リメイク版も楽しみ。
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