「【JFK暗殺を防げなかった事を悔いるシークレット・サービスと、新大統領を狙う狂的な愛国者とのスリリングな対峙を描く作品。ジョン・マルコヴィッチの屹立した存在感と怪演が凄き作品でもある。】」ザ・シークレット・サービス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【JFK暗殺を防げなかった事を悔いるシークレット・サービスと、新大統領を狙う狂的な愛国者とのスリリングな対峙を描く作品。ジョン・マルコヴィッチの屹立した存在感と怪演が凄き作品でもある。】
■JFK暗殺を阻止できず、深い後悔の念を抱えるシークレット・サービスのフランク・ホリガン(クリント・イーストウッド)。
そんな時、彼の元に謎の男から「現職の大統領を暗殺する」という予告電話が入る。ホリガンは大統領暗殺を防ぐべく、暗殺犯に立ち向かう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・クリント・イーストウッド主演の映画は、当たり前だが彼の存在感や演技が屹立しており、彼の印象が深い余韻を残す事が多い。
・だが、この作品では狂的な愛国者ミッチ・リアリーを演じたジョン・マルコヴィッチの方が、私にとっては屹立した存在感を感じたのである。
・ジョン・マルコヴィッチ出演作は、後年の作品を映画館で数作観たが、正直あまりインパクトを感じた作品はない。
だが、配信で観た彼が若き時に出演した「二十日鼠と人間」や「シェルタリングスカイ」等での彼の演技は凄い。
・今作でもJFK暗殺を阻止できず、深い後悔の念を抱えるシークレット・サービスのフランク・ホリガンを演じるクリント・イーストウッドの演技は流石なのだが、彼がJFK暗殺後、妻子と別れ一人生活をする中、出会った同じ捜査官のリリー(レネ・ルッソ)に惹かれ、恋に落ちる姿と、最後まで一人で信念を貫こうとしたミッチ・リアリーを演じたジョン・マルコヴィッチの演技に、引き込まれたのかもしれない。
■特に、ビルの屋上での追跡劇で、ビルから落ちそうになったフランク・ホリガンに手を差し伸べるミッチ・リアリーの姿と、台詞は印象的である。
彼は、勝手に大統領を守れなかった男に友情を感じ、彼に銃を向けたフランクの銃口を笑顔で口に咥えるのである。そして、フランク・ホリガンはミッチに助けられるのである。
このシーンと対照的に、再後半、ガラス張りのエレベーターの中でのミッチ・リアリーに手を刺し伸ばすフランク・ホリガンの手を握ることなく、ミッチは墜死するのである。
<今作は、クリントイーストウッドと対峙するジョン・マルコヴィッチの怪演と屹立した存在感が印象的なスリリングサスペンスアクションなのである。>