「アンナに感情移入したのは私だけ?」叫びとささやき ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
アンナに感情移入したのは私だけ?
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三姉妹のそれぞれのセリフが舞台を見ているような臨場感があり、同時に終始緊張感もあるので、やや肩が凝ってしまうような疲れる映画だった。
個人的に一番感情移入したのはメイドのアンナであった。献身的にアグネスに仕えたが、彼女の日記によれば世界で一番そばにいて欲しい人は姉妹であったと言うことで、いつも身近にいたアンナではなかったのはちょっと切ないではないか。上流階級の人たちと、そのメイドとでは、愛情や友情の面では対等にはならないということだったのか?アンナへの形見が、金銭的価値のないアグネスの日記だったと言うところが、ある意味、アンナにとっては一番価値のある形見だったのかもしれない。
アグネスにしても、結局、姉妹からは愛情は受けられなかった訳なのに、日記では姉妹が来てくれたことに感謝していると記したのは、後で姉妹に読まれることを想定して書いただけなのだろうか?そうだったら、アグネスにとっても切なかったのではないだろうか。
アグネスを抱くアンナの姿のカットを見たとき、ミケランジェロのピエタ像のように感じた。
重苦しい映画ではあったが、天使のような、あるいはマリアのような存在のアンナに救われた。
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