「最終戦争勃発」サクリファイス(1986) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
最終戦争勃発
アレクサンデル(ヨセフソン)と、喉を手術したため口のきけない息子とのツーショット。海辺でその“子供”と一緒に枯れた松の木を植え、枯れた木に3年間水を与え続けた憎の話をするアレクサンドル。誕生会には医師のヴィクトルや、元教師で暇なときに郵便局員をするオットーも参加する。
平和な日常の中、突如起こった核戦争。白夜なのか映像全体が白んでいて、それが死の灰が降ってくるかのような冷たい空気に包まれている。人々はパニックに陥り、ヴィクトルが鎮静剤を打ったりする。これまで神を信じてこなかったアレクサンデル。自分も家族も、そして持つ全ての物を放棄するから愛する者を守ってほしいと神に祈り、力尽きて眠ってしまう。オットーに起こされ、「魔女のマリアと寝なければ世界は救われない」と教えられ、梯子で2階から降り、自転車で召使マリアの家へと急ぐアレクサンデル。母の想い出を語り、ついにはこめかみにピストルを当てるアレクサンドルに対して、マリアは服を脱がせ抱き合った。ベッドに寝たはずの二人は徐々に回転しながら宙に浮いてゆく。
何事もなかったかのように朝が訪れる。1日前に戻ったのだ。そこでアレクサンデルは自らを犠牲にする約束を果たすため、家族がでかけた隙に家に火をつける・・・
バッハの「マタイ受難曲」とJVCのオーディオから流れる尺八の音楽。映像が切り替わる度に暗から明へと雰囲気が移行。ラストの火災映像から子供の映像に切り替わるところが切なさとともに明るい未来をも映し出してくれるのだ。タルコフスキーの日本びいきのところも、松の木、尺八、和服(着方が間違ってるけど)などに表れている。
1日戻ったのか、それとも新しい日を向えたのかはヴィクトルの会話などで判断するしかないのだが、喋れなかった子供がラストシーンで喋っているのが謎だった・・・まさか夢オチということはあるまいが・・・
kossyさん返信ありがとうございました
雪道ご安全に!
映画ではヨーロッパの古地図も示唆的でしたねー
劇中曲とダ・ヴィンチの絵については以下、内容深いブログを見つけました。
URLが貼れないのでタイトルを。
・・・・・・・
タルコフスキー「サクリファイス」とバッハ「マタイ受難曲」
2011-03-18 14:07:07