サウンド・オブ・ミュージックのレビュー・感想・評価
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吹き替えも素晴らしい
神々しいオーストリアの山並みを天空から見下ろすショットで始まる。そこから視界がぐんぐんと下降して、緑に囲まれた湖のほとりの街を捉える。そして丘の上で歌うジュリー・アンドリュースへと迫るカメラ。このオープニングだけでも感涙ものである。
さらに、アンドリュースが丘の上から去ると、趣たっぷりのタイトル文字と、どれもがスタンダードナンバーとして残る名曲のメドレーが贅沢なひと時の始まりを告げる。
劇中の音楽の素晴らしさは言うまでもないが、カメラワークも素晴らしい。ヨーロッパの映画ではこのような明るく流麗な画面を作ることはなかったのではないだろうか。オーストリアの話でありながら、使用言語が英語であることなど全く気にならない。アメリカが、ヨーロッパを舞台にした映画の製作に大成功したケースだ。
今回観た吹替え版は、トラップ大佐の当初の恋人である男爵夫人の声優を増山江威子が務める。峰不二子の声で、恋に入れ上げることのない冷静な大人の女をしっとりと嫌味なく演じている。字幕版で観たときとこの役の印象が大きく変わった。声優の仕事で作品の新たな魅力が伝わる。さすが大ベテラン。声優の演技も楽しめる吹き替えも悪くない。
ミュージカル映画をたくさん観るほうではないが、この作品は「シェルブールの雨傘」と双璧をなす作品だと思う。
名作
映画・音楽・人生 イズ ビューティフル
ハリウッドミュージカルの最高峰の一本。
1965年製作。50年を経ても変わらぬ魅力。
一度は劇場で観たい作品である。
「サウンド・オブ・ミュージック」「ドレミの歌」「エーデルワイス」…作品を彩る、誰もが一度は聞いた事ある口ずさんだ事ある名曲の数々。
特筆すべきは美しいロケーション。
アルプスの山々から野原で歌うマリアを捉える壮大なオープニングは、この映画の価値を決めたと言っても過言ではなく、映画史上に残る屈指の名シーン。
本作の前年に魔法使いのベビーシッターでオスカーを受賞したジュリー・アンドリュースだが、やはりこのマリア役が一番。子供たちの為にトラップ大佐に食ってかかるシーンは母性愛を感じる。
初見時はトラップ大佐に反感を持つだろう。妻を亡くしてから子供たちを軍隊の部下のように厳しくしつけ、歌も禁止、笑う事も禁止。
でも、本作で唯一悲しみを背負った人物はトラップ大佐ではなかろうか。
マリアの存在はただ子供たちの家庭教師としてだけじゃなく、トラップ大佐の頑な心の扉をも開いていく。
堅物な父から優しき本来の父へ。クリストファー・プラマーのダンディーな魅力も光る。
実話を元にした映画であり、史実との相違点、後半映画に暗い陰を落とすナチスの描写などについて、一部批判的な意見もあるらしい。
が、一本の“映画”として名作である事に偽りはない。
心温まる子供たちとの交流。
芽生えるマリアとトラップ大佐の恋。
そして、自由を求めて…。
映画の楽しさ、歌の素晴らしさ、人生の喜びに溢れている。
不動の名作
音楽は人を幸せにする
午前十時の映画祭
愛と音楽
有名曲がたくさん
総合60点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:55点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
これがまだ小学生だった自分が初めて観た音楽劇だったと思う。突然歌いだし踊りだすのも好きにはなれなかったし、物語も演出も全体として当時の良き家族の古い描き方というところで、現代の作品と比べてあまり自然な印象は受けなかった。現実のトラップ一家と実態が違いすぎるという批判もあるようで、いかにもこの時代の視聴者の受けを狙った内容に変えられているのかなという気もする。史実との整合性はとにかくとして、有名作品ではあるがとりあえず私の趣向にそれほど合うものではない。
ただ「ドレミの歌」をはじめとする有名な曲が劇中で使われたということで、それらがどのように歌われたのかについては興味が当時あった。学校で習った「ドレミの歌」の日本語歌詞が原曲とずいぶんと異なるのに驚いたものだ。久しぶりに観直してみると、ジャズ版の名曲「私のお気に入り」もこちらが原曲なのがわかった。久々に音楽を聞き返すことが出来た。
久しぶりに…
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