劇場公開日 1997年3月15日

「最初の遭遇、最後の雄姿」STAR TREK ファースト・コンタクト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0最初の遭遇、最後の雄姿

2015年11月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

ピカード艦長らクルーを一新した新シリーズ。
映画は4本作られ、「ジェネレーションズ」に続く2作目(通算8作目)。
カーク艦長からピカード艦長へ世代交代だった「ジェネレーションズ」も悪くなかったが、新シリーズ劇場版では最も好き。
(「叛乱」「ネメシス」は微妙だけど…)

今回の敵は、かつて宇宙連邦を苦しめた機械生命体“ボーグ”。
ピカードもボーグに捕まり、同化された事がある因縁の敵。
…と言っても、シリーズに疎い者としては、ピカードにそんなエピソードあったんだぁとか、そもそもボーグって??
単なるボーグとの再戦だけだったら話に付いていけない所だったが、もう一つのエピソードのお陰で、知らずに見ても(一応そういう経緯を念頭に置きつつ)面白く見れた。

エンタープライズによって侵攻を阻止されたボーグは過去に戻り地球の歴史を改変。エンタープライズもボーグを追って過去へ。そこは、人類と異星人の“最初の遭遇”の前日だった…。

「スター・トレック」の設定上、全ての始まりとも言うべき“最初の遭遇”。
その偉大な功績者、コクレーン博士のロケット打ち上げに協力するライカー副長たち。
一方、ボーグに浸入されたエンタープライズ。
囚われたデータを救出する為、ピカードは一人、因縁の敵と対峙する…。

二つのエピソードが交錯して展開。
過去に介入すると歴史が変わってしまうタイムトラベル理論。そんな事お構い無しに介入するクルーらはちょっとツッコミ所だが、
エンタープライズ内での戦いが負ければ打ち上げが阻止される。
打ち上げが阻止されれば歴史が変わってしまう。
果たして決着は…? 打ち上げは…?

…まあ、娯楽映画なのでオチは察しの通り。少し触れるが、
ラストに登場するお馴染みのあの耳とんがりの異星人。
“ファースト・コンタクト”は、シリーズをきちんと見てない者でも感慨深い。

物語の要、コクレーン博士に名優ジェームズ・クロムウェル。熱狂的なトレッキーなんだとか。
そんな彼に重要人物を演じさせ、憎いキャスティング。
(日本で言ったら、「ゴジラ」をリブートした時、芹沢博士を佐野史郎が演じるみたいな…??)

オスカーにノミネートされたボーグの特殊メイクアップ技術がお見事。
また、シリーズに復帰したジェリー・ゴールドスミス。その音楽は、エンタメ・アクション映画の音楽の何たるかを心得ている。

次作からエンタープライズはフルCGに。
ミニチュア撮影最後の雄姿。

近大