STAR TREK ファースト・コンタクトのレビュー・感想・評価
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「新スタートレック化」が先か「マーベル化」が先か、それが問題だ。
①「新スタートレック・シリーズ」はどうも時間軸をご都合主義で安易に使っている気がする。「マーベル映画」がマルチバースを都合よく使っているように。
②TVシリーズを観ていないとも一つ話が分かりにくいのも一緒。
スタートレックシリーズの中でも
トップクラスの面白さ。
ボーグとの闘いと、地球人と異星人とのファーストコンタクトが絡み合う。
そしてカークとスポックへの出会いへと続く、正に原点になるストーリー!
CG技術の進歩
最初の遭遇、最後の雄姿
ピカード艦長らクルーを一新した新シリーズ。
映画は4本作られ、「ジェネレーションズ」に続く2作目(通算8作目)。
カーク艦長からピカード艦長へ世代交代だった「ジェネレーションズ」も悪くなかったが、新シリーズ劇場版では最も好き。
(「叛乱」「ネメシス」は微妙だけど…)
今回の敵は、かつて宇宙連邦を苦しめた機械生命体“ボーグ”。
ピカードもボーグに捕まり、同化された事がある因縁の敵。
…と言っても、シリーズに疎い者としては、ピカードにそんなエピソードあったんだぁとか、そもそもボーグって??
単なるボーグとの再戦だけだったら話に付いていけない所だったが、もう一つのエピソードのお陰で、知らずに見ても(一応そういう経緯を念頭に置きつつ)面白く見れた。
エンタープライズによって侵攻を阻止されたボーグは過去に戻り地球の歴史を改変。エンタープライズもボーグを追って過去へ。そこは、人類と異星人の“最初の遭遇”の前日だった…。
「スター・トレック」の設定上、全ての始まりとも言うべき“最初の遭遇”。
その偉大な功績者、コクレーン博士のロケット打ち上げに協力するライカー副長たち。
一方、ボーグに浸入されたエンタープライズ。
囚われたデータを救出する為、ピカードは一人、因縁の敵と対峙する…。
二つのエピソードが交錯して展開。
過去に介入すると歴史が変わってしまうタイムトラベル理論。そんな事お構い無しに介入するクルーらはちょっとツッコミ所だが、
エンタープライズ内での戦いが負ければ打ち上げが阻止される。
打ち上げが阻止されれば歴史が変わってしまう。
果たして決着は…? 打ち上げは…?
…まあ、娯楽映画なのでオチは察しの通り。少し触れるが、
ラストに登場するお馴染みのあの耳とんがりの異星人。
“ファースト・コンタクト”は、シリーズをきちんと見てない者でも感慨深い。
物語の要、コクレーン博士に名優ジェームズ・クロムウェル。熱狂的なトレッキーなんだとか。
そんな彼に重要人物を演じさせ、憎いキャスティング。
(日本で言ったら、「ゴジラ」をリブートした時、芹沢博士を佐野史郎が演じるみたいな…??)
オスカーにノミネートされたボーグの特殊メイクアップ技術がお見事。
また、シリーズに復帰したジェリー・ゴールドスミス。その音楽は、エンタメ・アクション映画の音楽の何たるかを心得ている。
次作からエンタープライズはフルCGに。
ミニチュア撮影最後の雄姿。
宇宙を通して
宇宙をベースに科学と宗教を物語る
ジョディ・フォスター演じる主人公のお母さんはこの映画には出てこない。
出産と同時に死んだという設定で既に母親を失っている。唯一の親の父親は最初は生きているがその父親を心筋梗塞というまさに神に見離されたような状態で失う。
博士として働きついに宇宙人と交信し接触(コンタクト)をとるチャンスを得たが苦労して掴み取った歴史的大チャンスを宗教という非科学的な理由で他の人にとられてしまう。
大好きだった両親、さらに自らの人生をも奪われたのにも関わらず、彼女は一切の不幸を一度も神様のせいにしなかった。
そんな科学頭の人間がワームホールのシーンで衝撃の一言。今まで夢みていた星という未知の世界との対面を前に、「神様」と呟くのだ。神様とは喜びの象徴なのかもしれない。
やがて未知の世界に辿り着き貴重な体験をするが、その体験は幻覚だと言われ博士は不満を募らせるが証拠がないがゆえ科学者のプライドでそれを認めてしまう。
ラストシーンは幻覚だと思われていた体験は実体験であるとわかり映画終了。
この映画は宇宙を通して一人の科学者の人生を物語る映画だ。科学は宗教に勝てない。よって科学者も夢が叶う直前にもなると非科学を漏らすもの。
と過剰に考え過ぎか、そのまま"宇宙は広く、人類が宇宙人と会話した"という話で終わらせていいのか。そこでこのテーマを考えると、「科学と宗教は両立するのか」だとキャストやスタッフは言っていることから、そこまで深く考えていいのかもしれない。
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