コットンクラブのレビュー・感想・評価
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コッポラ監督、あなたは一体何を撮りたかったの?と疑問符が一杯のまま取り残されてしまいました
コットンクラブ
東京丸の内にも同名のライブレストランがあります
もちろん本作で描かれたかって実在したNYのライブレストランの名前を拝借したお店で、豪華な内装や店名ロゴもそのイメージのままです
昔、ある超有名黒人コーラスグループの来日ステージがあった時に行ってみると、黒人のお客さんも流石に多く、小柄で細くて綺麗な黒人のお姉さまが素敵なイブニングドレス姿だったことが思い出されます
NYの本物のコットンクラブ
1923年に開店
場所はサウスハーレムのレノックスアベニュー142といいますから、今のマルコム X ブールバードとウエスト117ストリートの交差点辺りかと思われます
1935年のハーレム人種暴動で一旦閉店、翌1936年にブロードウェイ48番街という東京で言えば銀座4丁目のような超一等地に移転したものの、結局1940年に閉店した世界的に有名な伝説のライブレストラン
ハーレムといえば黒人街というイメージですが、
大昔はオランダ人街だったそうです
それが20世紀にはいった頃から、奴隷制度が南北戦争の南軍の敗北で廃止されても、戦後の混乱やジム・クロウ法という人種隔離法のような、黒人への差別が強く残ったままの南部から逃がれて来た黒人達が、NYではここハーレムに集まって来たそうです
彼らは下流ながら次第に中産階級となっていきます
1920年代にはハーレム・ルネサンスという文化がこの黒人達の新しい世代に生まれることになります
その色々な文化のうち、音楽とダンスが本作に反映されています
コットンクラブは高級店ですから、客筋も映画スターや、ギャングの親分衆とその手下です
北部東海岸のNYといえど、当時の人種差別では白人しか客として入店できないお店でした
しかし、ライブステージは楽団もダンサーも殆ど黒人達です
黒人達の文化の力は、白人以上の優位性があると認めていたとも言えます
劇中、リチャード・ギアの演じるトランペット吹きは、ジャズ好きのギャングの親分に白人にしてはやるな!と誉めています
黒人達もプライドを持って働いています
終盤には、横暴なマネージャーを彼らはボコボコにしてしまいます
南部では絶対に考えられないことです
戦後の公民権運動の源流はここから始まったのかもしれません
1935年のハーレム人種暴動は、最初の黒人暴動だと言われているのです
しかし、本作のテーマはこれでは有りません
一つの要素ではあるでしょう
本作は、イタリア系のマフィアを扱った「ゴッドファーザー」で取り上げれなかったそれ以外の暗黒街の様相を、このコットンクラブを舞台にして描くことに主眼が置かれています
コットンクラブでのショーのシーンも色々あり、音楽好きも、ダンスも楽しめます
しかし、シーンも回数は大してなく短いものばかりで、ミュージカル的なつもりで観ると不完全燃焼になってしまいます
ステージ衣装や、登場人物達のお洒落な服装も楽しいのに残念です
本当はミュージカル的な形で撮るつもりだったのだと思われます
それほど、音楽もダンスも力が入っています
なのに出来上がりはなんとも、ゴッドファーザーの番外編みたいになってしまってます
結局、ミュージカルなのか、当時のハーレムルネサンス文化を通じて黒人の公民権運動の萌芽を描くのか、NY のイタリア系以外の暗黒街を描くのかのか、男女のラブストーリーを描きたかったのか
どっちつかず、どれもこれも中途半端
全部やりたかったのだろうが、おもちゃ箱をひっくり返しただけで、片付けしないで映画は終わってしまうのです
コッポラ監督、あなたは一体何を撮りたかったの?と疑問符が一杯のまま取り残されてしまいました
正直ガッカリです
口直しにポインターシスターズの1.st アルバムでも聴きたくなりました
イエス・ウィ・キャン・キャンはこの当時をイメージしたヒット曲です
音楽は良かった
禁酒法時代の音楽&ダンスクラブ。コルネット奏者やタップダンスを目指す若者。雰囲気や音楽がとても心地よい。ニコラス・ケイジも初々しいし、ダイアン・レインもセクシーだ。リチャード・ギアだってちょっと歌ったけど中々いい(『シカゴ』では下手だったけど)。
映画としての上流
最近、どうも軽めの映画を観ることが続いていたので、こういうザ・映画みたいなものを観れて嬉しかったですね。やっぱりギャングものっていうのは、それだけで楽しいですし、それだけにとどまらず、リチャード・ギアはカッコいいし、ダイアン・レインは美しいしで、観ていて映画の時間に浸り切るという感覚でありました。
この楽しくもあり、興奮もし、それでいて悲しさがあるという映画、私、大好きですね、ほんと。
有名ショークラブの裏の人間模様
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 85
ビジュアル: 75
音楽: 75
豪華なキャスト、ゴッドファーザーの流れそのままのギャングたちの振る舞い、その時代のファッションや音楽などが見所。野望・欲望・愛情が踊りや音楽や抗争の中にはめ込まれては次々と登場する。そんな演出の仕方はまさにコッポラ監督らしく粋である。
本作ではリチャード・ギヤよりもグレゴリー・ハインズがやや目立っていたように思う。10代の情婦役のダイアン・レインはまだ本当に10代で美形。
タップダンサーに惚れろ!
アメリカ禁酒法時代下の映画を探してて飛びついた作品。主演は若きリチャード・ギア。その他、ニコラス・ケイジ、ローレンス・フィッシュバーンなんかも出ていてびっくり。実在していた店、人物を元にしているとあって若干興奮。笑
35歳のリチャード・ギアのかっこよさときたら…しょっぱなからめちゃめちゃや…。カラーの丸めがねに乱れたオールバックに…中折れ帽(フェドーラというんですね)、最高です。
黒人ミュージシャンと競い合ってコルネットを演奏する音楽家ディキシー、野望のために身を落とすその弟、ギャングのボス、ディキシーと恋に落ちるもダッチの愛人になった20歳にも満たない美女、
身分違いの恋をしてしまうタップダンサーとシンガー
1920〜1930を舞台に、金、音楽、マシンガンが入り乱れながら様々な人間の成功、失敗が描かれている。
音楽の見せ方が最高にカッコイイ。ディキシーのコルネット、ピアノに、黒人タップダンサー達の競い合うビート、歌って踊るシンガー…
サンドマン兄弟のタップダンスのステージや、黒人パブのタップダンサー陣のステージは鳥肌もの。
さらさらとピアノに触れるディキシーもしかり。
マフィアはたむろうし、黒人は人間として扱われず、銃もマシンガンも当然、こんな時代下で音楽というものはなんて強い力を持っているんだろう。こんな時代下でもやはり憧れてしまう。そしてビジュアルもドストライク。画面の色あい、明暗、シルエット、影、渋くてかっこよくてさらにセクシー。
ストーリーどうこうより、音楽、ビジュアルを楽しむ映画かなと。最後は若干拍子抜けだったし。なにより、タップダンスにはまってしまいそうです!!
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