「圧巻のオペラシーン」ゴッドファーザーPARTIII ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻のオペラシーン
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前2作に比べると全体的な印象は薄いものの、ラストのオペラシーンはこの三部作の中で最高のクライマックスだ。
敵はアル・パチーノを狙ってくるとは思っていたが、中盤でアル・パチーノが自分の後のドンになるべきアンディ・ガルシアに言った言葉「敵はいつも愛するものを狙ってくる」が頭をよぎり、もしかしたらオペラ歌手の息子が撃たれるのではないかと。
結局狙われたのはアル・パチーノであったが、結果的に撃たれたのは娘であったので、上記の言葉通りになってしまった。
オペラ劇場の前の階段のシーン、彼女を愛する3人、父のアル・パチーノ、母のダイアン・キートン、恋人のアンディ・ガルシアの3人の泣き叫ぶシーンは感動的である。その中でもアル・パチーノの口を大きく開けた慟哭の演技(半分声がでない)は驚嘆に値するほど素晴らしかった。このシーンだけでも十分見る価値のある映画だった。
そして最後に、アル・パチーノは敵に殺されるのではなく、誰も看取られることなく孤独に死んでいく(娘が殺されるところから晩年の彼が亡くなるまで音楽が続いていて、その中間に彼が愛した娘や妻と踊った回想シーンが流れる、多分娘を失ってからは生きる屍のようにずっと思い出の中で生きていたのかもしれない)。なんとも切なく、ある意味、三部作の完結編にふさわしいエンディングだったのかもしれない。なお、後で調べて分かったのだが、その音楽とは彼の息子があの劇場で演じた《カヴァレリア・ルスティカーナ》の間奏曲だった。
前2作と同様に傑作であるに違いない作品であった。
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