GODZILLA ゴジラ(1998)のレビュー・感想・評価
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ナニガオコッタ? これはゴジラですか?
ゴジラファンの間で長年議論されている問題。「エメゴジ(エメリッヒ・ゴジラ)は果たしてゴジラか?」。個人的な見解を述べるならこれもゴジラです。だって公式の東宝の名前が一番最初に出てくるんですから!メタい話ですが公式が認めているのなら一応ゴジラの部類に入るのではないでしょうか?まぁ、後でジラとか出してきたので承認してても納得はしてなかったのかも知れませんが。
という訳でローランド・エメリッヒ監督版「ゴジラ」です。以前ゴジラ検定の為にゴジラを全部観た時も本作は飛ばしてたんですよね。だって評判悪いですもん!ただ映画狂のマンガ「木根さんのひとりでキネマ」の第7巻でゴジラ回があったので、観てなかった事を思いだし視聴。確かに全くゴジラっぽくありませんでした。
ゴジラ要素が全然ないので、これはゴジラじゃないって言いたくなる気持ちも充分にわかります。実際観ててゴジラ観てる気がしなかったですしね。そして、そこはかとなく漂うB級感。今観るとけっこうCG粗いです。うわっ。貿易センタービルがある!9.11前か!写るんです使ってる!全体的に懐かしいですね。ローランド・エメリッヒってオタクなんだろうなぁ。恋愛の書き方が決定的に下手い!それでも市街地でのヘリとゴジラのチェイスとか、タクシーでゴジラから逃げるシーンとか、そこそこ見所はあります。
多分なんですが、本作がパニック映画としてスゴく面白ければゴジラの造形が違っても「やるな、ハリウッド」になったと思うんですよ。問題は単純にそこまで面白くなかった事かと思われます。わざわざ海外遠征までしてコレでは黒歴史扱いされるのも仕方ないなと思いました。
破壊神か、モンスターか
この映画が何故こうなったのか自分なりに考えてみた。
地響きを立て、太平洋から、放射能を撒き散らして破壊を尽くす。
地震、台風、核爆弾。日本人がアイデンティティとして感じてきた恐怖、その象徴がゴジラだ。だから"Godzilla"、神様なのだ。
エメリッヒのゴジラがなんでこうなったのか?
それはこの映画が欧米人の自然由来の恐怖を描こうとしていたからではないかと思う。
地理的に欧米人には地震や台風といった恐怖は身近ではない。彼らが遭遇する避けようの無い自然災害はペスト、流行病である。
この欧米人が恐れる人に由来しない恐怖として外来からの感染・増殖を描こうとしたんだろうなと思った。だからゴジラが卵を産み、幼体ゴジラが増殖する。(ゾンビ映画が向こうで流行るのも同じ理由だと思う)
しかし、それはゴジラか?
地面を潰し、目の前の建造物を破壊し、邪魔する兵器を潰し、何が目的か分からないまま圧倒的な重量が破壊を尽くす。そんな荒ぶる神がゴジラ。
マグロを喰らい、兵器をすり抜け、街に隠れて、卵を生む…。日本が作ったゴジラのアイデンティティと真逆の巨大生物に「ゴジラ」という看板を掲げさせるのは無理があった。
この映画は「イグアナドン、ニューヨークを襲う!」という程度の看板で良かったと思う。
僕はエメリッヒの映画が嫌いじゃ無い、というか好き。(特にスターゲイトを金曜ロードショーで見た時はメチャクチャ感動した!)
彼の映画は良い意味で能天気なのだ。人類滅亡に直面した登場人物達がどこか抜けてて、その危機に気付かないまま突破する。そんなハチャメチャな冒険譚が彼の映画の特徴だ。
そう、ゴジラと水と油ー。こんなに不適任な監督は居なかった。ゴジラは禍を太平洋から運んでくる厄神。
それを禍いを能天気に描く監督に任せるべきではなかった。
だから彼のゴジラには全く重さが無い。軽いのだ。もし日本でゴジラがビルを横切ったらそのビルは放射火炎で焼かれるか、体当たりで倒壊されているか…。そっぽ向いてる隙に尻尾だけ横切って気付かないなんてことは無い。
それにあんな巨大生物を見失うか?いくらなんでも無理があるし、幼体ゴジラが殲滅した後に襲来する成体ゴジラの登場など、どこから出てきたんだよ!画の面白さを優先し、もはやギャグでやってる。(マグロ好きなのも日本のメタファーかよ!)
そもそもエメリッヒ、この映画に乗り気じゃ無かったんだと思う。スターゲイトとインデペンデンスデイの成功で選抜されたんだろうけど嫌ならやるなよ。
(ただし、この映画にキレてるゴジラファイナルウォーズもオマエどの口でいってんだって感じ。言える立場じゃねーだろ‼︎)
ただゴジラミレニアムのデザインや、幼体を生むゴジラというシンゴジラへの影響など、今まで日本人が発想しなかった点で意外とこの映画、後のゴジラに影響与えてる。
カリフォルニアロールという劇薬で寿司の裾のが広がったというか。
ただ、ゴジラでさえこんな雑にリメイクしてしまうハリウッドの負の遺産という見方も出来る。僕は途中からこの映画がゴジラシリーズの一作であることを忘れていた。
ゴジラを破壊神と見るかモンスターと見るか、ある意味貴重な映画です。
ジャミロクワイ
モンスター・パニックとしての再評価を!
DVDで久しぶりの鑑賞(字幕)。
ノベライズは未読です。
当時「日本が世界に誇るコンテンツがハリウッドでリメイクされた」と話題になりました。4歳だった私もそのすごさを感じていました。ゴジラ・オタクに染まっていた証拠ですね。
監督が「インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒと云うのにも興奮を覚えていたことを記憶しています。ちなみに、私が初めて名前を覚えた映画監督が彼でした。
映画館へ観に行けなかったので親に字幕スーパー版のVHSを買ってもらいました。期待した分、子供心に「ゴジラじゃない!」と云う感想を刻みつけるのに充分でした。
特にラストシーン。成長するにつれて様々な本や批評などを目にする内に、本作へのこれじゃない感が増幅し寧ろ怒りの気持ちに変わり、しばらく観ない状況が続きました。
最近では、「ゴジラ映画であると云う観念を捨てて観ればモンスター・パニックとしてめちゃくちゃ面白い作品なのではないか?」と考えられる余裕が出て来ました。
冒頭、海難事故や集落の襲撃が相次ぐシーンは本家1作目と同じ展開で、「JAWS/ジョーズ」などの焦らして恐怖を高める趣向を受け継いでいて画面に引きつけられました。
マンハッタンに上陸した巨大生物とアメリカ軍の攻防はスピード感があり、当時最先端のVFXで描かれたゴジラ(とは呼びたくないですが)の姿から目が離せなかったです。
クライマックスにおける主人公たちの乗るタクシーとのチェイスは、スピーディーで緊迫感に満ちたハラハラ・ドキドキのアクション・シーン。手に汗握りっぱなしでした。
そしてラスト・シーン、ゴジラがミサイルで倒されると云う結末が批判を浴び、本家とはかけ離れた姿と共に本作に駄作の烙印が押された理由のひとつとなってしまいました。
日本とアメリカのモンスター観の違いを鑑み、本家1作目の結末も合わせて考えると、モンスター・パニック映画の傑作であると同時に、アメリカ視点で捉えたオリジナルの正統リメイクと言えないこともないのではないかと思い始めています。
[余談]
「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」に本作のゴジラをもじったジラが登場しました。姿形は同じですが名前からGODが取れて、本家ゴジラと対峙するも瞬殺の憂き目に合い、X星人統制官からは「マグロ食ってるようなヤツはダメだな」とまで言われる始末。単なるトカゲが怪獣王に敵うはずが無い。このシーンには大いに笑かされました。
[以降の鑑賞記録]
2020/05/02:WOWOWシネマ(字幕)
2020/06/28:WOWOWシネマ(字幕)
※修正(2023/10/28)
60mのエイリアンチックなゴジラ
フランス領の沖合で核実験で生まれたゴジラを探す自称保険屋のフィリップ(ジャン・レノ)。ニューヨークマンハッタンの街中を、火を吐き時速150㎞以上で走り回るゴッドジラ、大量の魚を食らい、オスの無性生殖で妊娠している。マディソンスクエアガーデンの中で、ポコポコとすごい数の産まれたてのミニゴジラとかくれんぼ。タクシーのハイビームでゴジラの目眩ましのベタ。まるわかりCGにご都合展開なのは上手くないなあ。
ジラ
ゴジラシリーズのレビューは全部書いたが、このエメゴジだけは書かなかった。
だって、ゴジラじゃないもん。
しかし…
さあ、今こそぶつけよう。
その失望、落胆、怒りの数々を。
ゴジラがハリウッドで映画化される!
それはゴジラ少年だった私にとって、天にも昇るような嬉しい知らせだった。
一体、どんなゴジラ映画になるんだろう。きっと、日本のゴジラとは比べ物にならないくらい迫力あって、面白くて…期待は尽きない。
さらに監督が、あの『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ!
この時の私はまだ、エメリッヒをスゲー監督と思ってた。
予告が解禁になったものの、ゴジラの姿は公開まで極秘。
そして遂に来た公開日。
勿論、初日に観に行きましたよ。
OPの核実験の映像。よし、日本のゴジラらしい。何か、映ってる“動物”が気になるけど。
ファーストシーンは日本の漁船が襲われる。うん、日本オマージュ。
全体的に軽い感じで、登場人物もちょっとおバカっぽいけど、まあ、立ち上がりはそう悪くない。
いよいよ、奴が現れる…!
この見せない上陸シーンは臨場感あって、なかなか見応えあるものになってる。巨大感もある。
が、その全貌を見せた途端、一気にトーンダウンしてしまった。
え、これがゴジラ…?
まるで、エイリアンと恐竜を合わせたようなただの巨大生物…。
何か、違う…。
マグロをバクバク食べる。
米軍の攻撃が始まると、逃げる。あのゴジラが!
重厚感は何処へやら、走って走って走る!
何か、違い過ぎるぞ…。
熱線も吐かない。
ラプトルみたいなベビーがわんさか誕生。
極め付けは、ラスト、米軍のミサイルを受けて絶命する。あのゴジラが!
見終わった後、私は悲しみに包まれていた。
ゴジラが死んだからじゃない。
ゴジラがこんな駄作になって…。
後で聞いたが、そもそもエメリッヒにはゴジラ愛なんて無く、『原子怪獣現わる』のリメイクのつもりで撮ったという。
じゃあ最初から引き受けるな!とも思うし、彼を抜擢したスタジオの人選ミスでもある。でも、彼も一応プロの監督なんだから、もっとゴジラを理解して作って欲しかった。J・Jは『スタトレ』ファンでなくとも傑作を撮ったというのに。才能の違い?
ゴジラは怪獣。イグアナが巨大化という設定からしてオマージュをまるで感じないが、一番の問題は、エメゴジには全く存在理由が無い事。
ただ現れて、ただ退治される。
ゴジラは人類を凌駕する存在だ。それがゴジラの存在意義だ。
なのに、容易く退治される。
ゴジラのような怪獣王であろうとも米軍には敵わない。
アメリカの傲慢が恐ろしい。
文句はまだまだ尽きないが、最後に一つだけ。
いつぞやのインタビューでエメリッヒが日本のゴジラに対して、「今時、着ぐるみ特撮なんて誰も見ないよ」と鼻で笑ってた。
マジでコイツをブチ○したいと思った。
作品の出来としては『対メガロ』が酷いが、ゴジラ映画としては最低最悪。
その後、ギャレス・エドワースが見事に作り直してくれた。
『シン・ゴジラ』も傑作だったし、来る2本のハリウッド版も楽しみ。
今のこのゴジラの復活を、エメリッヒはどう見てるだろう。
…いや、何も感じてないかな。
好きなんですけどね。
スマートゴジラ
怪獣なんたら
ゴジラ・・・ゴジラ・・・・ジーラ
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