劇場公開日 2002年3月23日

「どんなに時代は変化しても家族という価値観は不変というメッセージがより強く残りましたね。」活きる 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0どんなに時代は変化しても家族という価値観は不変というメッセージがより強く残りましたね。

2025年2月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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『活きる』 (1994/中国/131分)
とある中国の市井の家族の目線から1940~1960年代(国共内戦~文化大革命)の中国の激動の歴史を描いた作品。
コン・リー(鞏俐)と『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993)でも京劇を愛するパトロンを好演したグォ・ヨウ(葛優)が夫婦役。
「文化大革命」を描いた映画としてはベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストエンペラー』(1987)、チェン・カイコー監督『さらば、わが愛/覇王別姫』、メイベル・チャン監督『宋家の三姉妹』(1997)など名作が多いのですが、本作でも昨日まで「白」だったものが突然「黒」、さらに別の色にと猫の目のように変わる政治や思想、周囲の人々に翻弄、疑心暗鬼しながらも健気に逞しく「活きる」家族の姿が心を打たれます。
映画を通じてその当時を追体験しましたが二転三転する価値観と言い掛かりのような粛清に怯える日々はかなりハード。それでも家族という価値観は不変というメッセージがより強く残りましたね。

矢萩久登