劇場公開日 1995年4月22日

「念のため、ネタバレにクリック」告発 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5念のため、ネタバレにクリック

2024年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

禁酒法時代のアメリカ。アルカトラズ連邦刑務所の闇を暴く弁護士と、その刑務所に苦しめられた囚人の、友情と苦悩の闘いを描く物語。

クリスチャン・スレーターとケヴィン・ベーコンが共演する、史実に基づく物語。極めて私好みの作品です。

物語は二本立て。
一本目は二人の友情譚。法曹界の一族に生まれ、当たり前のように弁護士となったスレーター演じるジェームス。
不幸な生まれ、そして悪運に取りつかれたような人生を送るベーコン演じるヘンリー。
人生を諦め死を受け入れるヘンリーと、裁判に勝つことを優先してしまうジェームス。生き方も目的も違う二人が、特に激しくぶつかりながらも、友情を育む過程がしっかりと描かれています。

もう一本は、本筋であるアルカトラズに対する告発。有力者に阿る人々、連邦政府に忖度する弁護士協会。そして、裁判に興味を示さないヘンリー。裁判自体の難しさも含めて緊迫感を醸成します。

映画は、この二つの柱を密接に絡ませながら進み、完成度の高さを感じさせます。

残念なのは、史実に基づくことを、上手に消化出来なかったところ。
ラスト。カタルシスを感じ難い結末のはずなのに、それでもカタルシスを感じるような結末にしてしまっています。正直、少々戸惑いを覚えてしまいました。
この終わり方なら「悲劇」で終わらせた方が、矛盾はなかったかもしれません。

私的評価は4.5にしました。

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よし