「証人席に立って本音を話せたことが被告の意識を変えた」告発 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
証人席に立って本音を話せたことが被告の意識を変えた
自分の人生に絶望し、減刑による懲役よりも死刑によって楽になるのを望んでいた被告のヘンリー。光も届かない懲罰房のような独房で3年以上も過ごし、拷問を受け続ければそのような気持ちにもなるだろう。しかしそんな彼が、最後には懲役を受け入れる気持ちに変化していた。それは、証人席で自分の本音を吐露した結果であった。つまり、人生を諦めて弁護士に裁判の行方を全て委ねるのではなく、自分がどう思うかを自分の言葉で話せた結果、再び主体的に人生に向き合う気持ちになったのだろう。
アルカトラズ刑務所を題材にした映画といえばクリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』がある。こちらは刑務所の悪名高さの割にはあまり過酷そうに見えず、むしろ楽しそうな雰囲気さえあった。しかし今作は独房や拷問の残酷な実態を容赦なく描いていた。そのため今作の方が実態を忠実に描けていたのかもしれない。
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