劇場公開日 1952年10月9日

「丁寧かつ分かりやすく、かつ絶妙な構成、絶妙な演出、カット割り・・・言うまでもなくとにかく凄い作品です」生きる(1952) SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0丁寧かつ分かりやすく、かつ絶妙な構成、絶妙な演出、カット割り・・・言うまでもなくとにかく凄い作品です

2015年4月29日
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さえない志村喬・・・ボソボソなに言ってんのか分からん・・・容姿の格好良さなんてものも微塵もないし、なんだろう、ホント古くさいし、これは見るに堪えん─と思いながら見たと記憶しております。説明くさいし、この調子で長時間を耐えねばならんのか・・・
多少耐えなければなりません。地味で、時代後れで、台詞も聞き取りづらいので・・・正直、音声の質には終始我慢が必要だと思いますが、ぼやっとしているところと明瞭なところの差でもって作品を堪能できるはずです。さえない志村喬・・・その強烈な印象が、何気にミソだったりします。見終わって、巨匠とか名優と呼ばれる所以を噛み締めるに違いありません。
絵的に素晴らしい黒澤映画は他にたくさんあるので、それらに比べるとこの作品はそれほど映像が優れているような印象は持ちません。けれども、何度見ても見入ってしまいます。見返せば色んな再発見や味わい深い演出演技や丁寧な構成なんかを実感できるに違いありません。時代を感じる社会的情景も記録として眺める価値も感じます。
とにかく超名作であることは間違いありません。

SH