「全て想定以上!」生きる(1952) ジンクスさんの映画レビュー(感想・評価)
全て想定以上!
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役所に勤める男が余命幾ばくということを知り、一生懸命仕事をする・・・、という大雑把なあらすじは知っていたんですが、予想を凌ぐ展開やメッセージ性に驚きました。
癌であることを告白した人主人公に感動する、というところまでは想定どおりなんですが、あまりの変わりっぷりに周りが引いちゃってるところが、可笑しくもあり悲しく思えました。
いよいよ熱心な仕事っぷりが見られるかと思いきや、一気に死んだ主人公の葬式の日に時間が飛んでしまい、そこから役人たちの回想が続いていくと言うのは秀逸でした。彼の生き様を周囲の登場人物と我々観客が同時に理解するためには、こういう手法が一番良かったんでしょう。
オチも一種のどんでん返しで、単純な感動でもなければ、バッドエンディングとも言い切れない、終わった後に考えさせられる結末でした。
戦後間もない頃の作品なのに、行動や心理を全て見通し、それを踏まえた演出を随所に散りばめていることに、作品の内容以上にその秀逸さに感動しました。
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