「母の葬儀に集まった人々の人間ドラマ」五月のミル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
母の葬儀に集まった人々の人間ドラマ
ブルジョワの世界である。相続権のないカミーユの言葉がいちいちうざったい感じがした。食卓の話題は行われいる五月革命と財産分与の話題だ。遺言によると、遺産は意外にも使用人アデルにも分与されることが決まり、小さな騒動になる。
ストの影響で葬儀屋までもが休むといった設定や暴動に怯えて逃げ回る親族などは面白いのだが、全体的にブルジョワの日常を表現したドラマに過ぎず、登場人物の心までは描ききれていない。というより、個人の我の強さが、後半になって革命の対象となる体制側となり個性がなくなってしまう。ピエールとアデル以外は革命に怯えるブルジョワの団体となり、監督・脚本家の反革命の思想と脳天気さだけが残ったような気がするのだ。ま、一番の問題点は死者への哀悼がほとんど感じられなかったところと、主人公ミルの描写が薄かったことでしょうね。
とにかく、自分の知らない親族が集まって馬鹿騒ぎをする光景を傍観するという状況を想像すれば、この映画の雰囲気が伝わります(笑)
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