「イーストウッド×モリコーネ×山田康雄=男の憧れ!」荒野の用心棒 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッド×モリコーネ×山田康雄=男の憧れ!
アメリカとメキシコの国境に位置する、二つの勢力が縄張り争いを繰り広げている町を舞台に、流れ者のガンマンであるジョーの闘いを描くマカロニ・ウェスタン。
主人公ジョーを演じるのは、まだまだ駆け出しの俳優だった、映画界の生ける伝説クリント・イーストウッド。
黒澤明の『用心棒』を無断でリメイクした為、東宝に訴訟を起こされてしまったという曰く付きの作品。
しかし、その一方でマカロニ・ウェスタンの代表作としていまだに根強い人気を持つ作品でもあり、クリント・イーストウッドの出世作にもなったのだから世の中わからない。
私は黒澤明の『用心棒』は未見なので、原作との比較は出来ないが、シナリオだけで言えばそれほど優れた作品であるとは思わない。
主人公のジョーはいうほど用心棒ではない。
ジョーが金儲けのために町を引っ掻き回した挙句、とんでもない騒動を巻き起こしてしまったという感じ。
あと、キャラクターの顔がみんな一緒に見えてしまう。
今どうなってるだっけ?この人誰だっけ?となってしまうのは私が悪いのでしょうか?
悪役ラモンが拐った女マリソルを住まわせている家の向かい側に、彼女の夫と子供が住んでいるが、そんな近いところに住む?とか思ったし、リンチされてボロボロのジョーがどうやって樽のトラップ仕掛けたの?とか、細かいところにツッコミたいポイントはある。
しかししかし!この映画の魅力はシナリオではない!
クリント・イーストウッドの圧倒的な色気!ただ立っているだけで絵になるとんでもないスター性をビンビン感じます!
あの鋭い眼光にクールなガンアクション!そりゃ有名になるよ!
イーストウッドはやはり吹き替えでみたい!何故なら彼の声を演じているのが山田康雄さんだから!
あの声のセクシーさ!独特なセリフのテンポ!まさに天才!イーストウッドの魅力を引き出しています!
そしてエンニオ・モリコーネのフィルムスコアのカッコ良さ!
音楽だけで重厚なストーリーを語っているような、強烈な印象を残します。
クライマックスの対決に臨むジョーが、白煙の向こうから登場するシーンはまさにこの映画の白眉!
そこからの対決も熱い!
ヘッドショット狙われたらどうすんの!?とかは言いっこなし!
カッコよければOKなのです!
酒場のおっさんや棺桶屋の爺さんなど、脇役も魅力的。
特に酒場のおっさんカルロス良い人すぎる。良い人すぎてジョーのためにボコボコにされる。かわいそう。
やはり西部劇は男のロマン。細けえことは良いんだ。カッコよければ良いんだ。吹き替えが最高なんだ。
talisman様
コメントありがとうございます😊
モリコーネ亡くなってしまいましたね…
とはいえ91歳ですから大往生ですよね。
近年まで現役だったし、本当に凄いです!
本作はザ・マカロニって感じで面白いです!是非鑑賞してみてください〜