荒野のガンマンのレビュー・感想・評価
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マカロニウェスタンの元祖かもしれないが、それは復讐劇って所だけ。勿...
マカロニウェスタンの元祖かもしれないが、それは復讐劇って所だけ。勿論、非情な死もその要素だが、余り効果が無い。
脚本家が二人いるので、話がバラバラ。でも、イタリア製の西部劇やタランティーノに影響は与えていると考えられる。
けっこうよかった
なんだか変なチームだなと思いながら3人の旅を見ていると、ミステリーの展開で、なるほどと腑におちた。帽子の下は頭皮がめくられているのかとハラハラしたら大きな傷だけだったのでほっとした。
事故とは言え、息子を撃ち殺した相手を許せるとは思えない。つらすぎるし、生きていられる自信もない。主人公も苦しんでいたけど、どんなに割り切ろうとしても割り切れるものではない。
ペキンパーらしい、ちょっとジメジメした感じがいい。
ちょっと変わったストーリー
イエローレッグ(キース)は、イカサマをやって吊るされている初老の男ターク(チル・ウィリス)を助けようとしたが、そこへ出てきたタークの相棒ビリー(コクラン)が拳銃で縄を撃ち助ける。奇妙な3人組は銀行強盗をやろうということになって新しくできた銀行の町へ向かう。なぜだか酒場が教会を兼ねている不思議なところ。教会にはダンスホールの女キット(オハラ)が父親のわからない息子とともにお祈りを捧げるが、町の人たちは冷たい視線を浴びせる。イエローレッグの鎖骨には戦争で受けた弾が残っていて、右手が上まで挙がらない。しかも銃捌きが下手で命中しない。常に帽子を被っていて、剥されそうになった傷を隠している。
突如強盗団が町を襲い、彼らとも銃撃戦になるが、イエローレッグは誤ってキットの息子ミードを撃ち殺してしまう。銀行強盗はおあずけとなり、息子を埋葬するため夫が死んだ場所へと向かうキットに護衛として同行する。そこへ行くにはアパッチの居住区を通らなくてはならず、女一人ではとても危険で行けたものじゃないのだ。
ストーリーがとても変てこ。復讐するぞ!と、何か策を練っていたようなイエローレッグだったけど、どうもそれがハッキリわからない。結局キットと旅を続けるうちに、キットにとっては憎き仇のはずの彼だったが、やがて愛が芽生えてゆく。タークは彼の頭を剥いだことなどすっかり忘れているらしく、「金を奪って先住民を奴隷にして軍隊を作るぞ」とはりきっている。北部人であるイエローレッグに敵意を示していたビリーは徐々に彼を好きになってゆく。しかし、銀行強盗したくてたまらないタークとビリーは旅の途中、町へと引き返してしまったのだ・・・
復讐を遂げると人生の目的を失ってしまうとか、愛が芽生えたため仇であることも忘れ、イエローレッグに殺人を犯して欲しくないと願うようになるキット。タークが誤ってビリーを撃ち殺し、やがて町の有志が彼らを逮捕しにやってくる・・・復讐は未遂。
ペキンパーらしさというより、どことなく将来のタランティーノとかの雰囲気さえあるキャラ設定。タークもイエローレッグも銃が下手で、むしろキットの方が上手い。軍隊を作ることにこだわりすぎて、とうとう気が触れたようになるのもいい。もっとも凄いと感じたのは、主人公がアパッチの追跡を振り切るために、馬車の車輪を捨ててしまったことだ。すぐに追いつかれてるし・・・銃だけじゃなく作戦も下手だったのね・・・その他、馬を驚かせた毒蛇を撃ち殺したけど、馬の脚をも折ってしまったこと。
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