「観たかった度○鑑賞後の満足度◎ 云わずと知れた『ゴジラ』の元ネタ映画。 怪獣映画ばかり観ていた子供の頃に観ていたら忘れられない一本になっていただろう。 冷静に観ている60過ぎの自分。年取るのはイヤね。」原子怪獣現わる もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たかった度○鑑賞後の満足度◎ 云わずと知れた『ゴジラ』の元ネタ映画。 怪獣映画ばかり観ていた子供の頃に観ていたら忘れられない一本になっていただろう。 冷静に観ている60過ぎの自分。年取るのはイヤね。
①現代の恐竜学から見ると突っ込みどころ満載だが、現代に作られている『ジュラシック・シリーズ』ですら突っ込みどころ満載なのだから、この時点(1953年)でこれだけの怪獣映画を作ったことを却って称賛するべきか。
②演出も退屈しない程度に快調。
如何にも水槽の中でタコと小さいサメとを闘わせていると丸分かりのシーンがやや延々と続くところを除けば、リドサウルスがニューヨークに現れるシーンの市民が逃げるモブシーンもかなり大掛かりで、B級映画としては結構本格的な腰の入れようである。
“私たち、仕方なくこんな馬鹿馬鹿しい映画を作ってるんですよ”という雰囲気がまるでなく、真面目な製作態度は大変よろしい。
③セシル・キャラウェイが出でいるし(古生物学者役)、ヒロインもB級映画にしては品のある美人と思ったら、ケーリー・グラントやロッド・テイラーの相手役もしたことがあるらしい(聞いたこともない映画だけど)。
他の助演陣もそれなりの映画に出ている人達だし、リー・ヴァン・クリーフ(端役だけど)も出ているとか、結構気合いを入れて作ったのかも。
④北極での核爆発で目覚める処は「大怪獣ガメラ」がパクっている。
⑤今見ると人間の勝手で目覚めさせられたのに人間社会に害を及ぼすからと退治されて可哀想。
冒頭の核実験のキノコ曇映像といい人間(アメリカ人)文明の驕りが垣間見得る(怪獣映画を其処まで深刻に見ることはないか)。
⑥リドサウルスが破壊しているのにそのジェットコースターに乗っていくのは如何なものか?という素朴な疑問を呈したいシーン(したもクライマックス)もあるが、一方リドサウルスの血を辿っていった隊員たちが具合が悪くなって倒れていく場面などは芸が細かくてよい。