劇場公開日 1973年1月13日

「政府や警察はいつも正しいのか」激突! 西から昇ったお日様はさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 政府や警察はいつも正しいのか

2025年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、その他、TV地上波

怖い

知的

ドキドキ

嘗て我々が「鬼畜米英」と教えられたように、ナチス支配下のドイツ人にとってユダヤは悪だった。
ホロコーストはまさに、登録、識別、移送のシステムによって可能になった、制度的な人種差別だったのだ。そして、今日マイナンバーカードなど同じシステムであり、アメリカが管理しているシステムであり、アメリカとは本来そう言う国であるにもかかわらず、日本人の誰もがその事実に触れようとせず、盲目に信じ続ける様は見ていて恐ろしいとしか言いようがない。
スピルバーグはユダヤ人であり、差別を体験し、其の理不尽さは此の作品にも生かされている。
トラックは直接的な分かりやすい恐怖に過ぎず、寧ろ、トラックのフロントに何枚ものナンバープレートが飾られていて、此の犯罪が常態化されて来たのだということがわかる。
それ以上に恐ろしいのは、ウェイターや周りの人々であり、何よりも恐ろしいのは山々の風景でして、デイビット・マンが死に物狂いで殺戮から逃れようとしているのに、のどかに洗濯物を干している人々のギャップは途轍もなく恐ろしい光景でして、これぞ社会の縮図なのだと思い知らされます(;^_^A
ある日突然制度が変わっていて、仕事で忙しいデイビット・マンだけが何も知らずに逃げ回る様は恐ろしい現実として解釈しております。
4K Ultra HDで自宅で大スクリーンで鑑賞いたしました、この作品は間違いなく映画館で観るべき衝撃作です!

西から昇ったお日様は
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