刑事ジョン・ブック 目撃者のレビュー・感想・評価
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H・フォード、P・ウィアー、J・シール、長いキャリアの最高作では
タイトルも、あらすじも刑事映画というジャンルに沿っているものの、映画の中身はむしろ文学的かつ詩的。物語の大半は、美しくのどかな農村を舞台に淡々と進んでいく。
粗野な世界で生きてきた刑事が、暴力を否定するアーミッシュの村に潜伏することで、交わることのないはずだったふたつの世界とそれぞれの価値観が、ほんの少し交錯する。しかしお手軽に融和にいたるわけではないのがこの作品の誠実さであり、ジャンルの衣をまといつつも、まったく違う志を持っていることが非常に頼もしい。
本作でハリウッド進出したピータ・ウィアー監督とともにオーストラリアからやってきた撮影監督ジョン・シールの仕事も素晴らしく、商業映画が芸術性を兼ね備える最良の一例だと思っている。
(ただ現実のアーミッシュを簡単に美化していいものでないことは、その後に発覚した諸事件やリサーチなどでわかってきた。興味はもっても鵜呑みにしない、はあらゆる映画に当てはまる鉄則だと思う)
ハリソンのキャリアの中でも異色の部類
まだ評価の定まらない時期のハリソン・フォード主演作で、当時は演技力に多少の疑問符が付き、人気先行型の俳優として扱われていたと記憶している。 内容には触れないが、実に複雑な内面を表現できる演技力が要求される難しい役柄で、話題にはなったがそれほどヒットはしなかったんじゃなかったか。おそらく彼以外の誰が主役を務めても、これほど話題にならなかったし、当然、私も見てみようと思わなかっただろう。 広いアメリカには「アーミッシュ」という村社会が存在し、文明から隔絶された暮らしをあえてしている設定で、そこに刑事として捜査をしに行きやがて彼らと同化する道を選ぶ主人公の生き方は、強く印象付けられた。 ハリソンのキャリアの中でも異色の部類に入るキャラクターだったろう。演技の評価は高かったが興行的に失敗したので、巻き込まれ型のサスペンス映画に大きく舵を切っていったのではないか。 この時代の映画スターに要求されたのは、まるで自分が体験しているかのような臨場感が味わえる等身大の平凡な男の役で、そこにハリソンがうまくハマっていったように思う。だって彼の映画を見ても、機転を利かせて偶然助かった以外に、力業で危機を乗り越えるヒーローのキャラクターは居ないからだ。ハン・ソロとかインディ・ジョーンズは別としてね。
名シーンの数々
1985年作。 監督ピーター・ウィアー。 警察サスペンスにしてラブストーリー。 主演のハリソン・フォードがアーミッシュの人妻に惹かれて 触れれば落ちそうな人妻への愛を自制する。 人妻は息子とアーミッシュで生きていくことは、 疑いのない現実。 男は刑事として犯罪に立ち向かい上司の罪を暴かなければならない。 名シーン。 トイレで殺人シーンを目撃した少年の驚きに見開いた大きな瞳。 目ジカラに驚く。 アーミッシュの人妻(ケリー・マクギリス)の形良い小ぶりな乳房の 美しさ。 刑事と人妻がオールディズに合わせてダンスをするシーン。 ラストの穀物倉庫。 トウモロコシの蟻地獄に埋まる犯人。 この映画で初めてアーミッシュという人々を知りました。 ストイックで戒律を重んじ、電気も電話も電気器具も水道も 使わない。 そんなアーミッシュの母と幼い息子が殺人の目撃者となったことから 起こるサスペンス映画。 ケリー・マクギリスは「トップガン」と「刑事ジョン・ブック目撃者」 の2作で、完璧に美しい運命のヒロインです。 名作だと思います。
0235 ハリソンフォードが内面を演じてくれた
1985年公開 あいつが犯人だ!と喋らずにガキが教えてくれるシーンは サスペンス感高い。 後半は少しお疲れで尻すぼみ。 未だになんで逃げなあかんねん?いや逃げきれるのか?は 疑問でしたが 70点 配給 パラマウント/UIP
主題よりアーミッシュの生活の部分の方が面白い
刑事ものであるが、かなりの部分がアーミッシュの生活の描写である。ただそこが良かったのである。特にみんなで協力して1日で納屋を作り上げるシーンは感動した。
ジョンとレイチェルは結局ああなるしかなかったかな、ジョンがアーミッシュにとどまる事はまずありえないし、レイチェルがジョンと一緒に街で生活すると言うのもあまりあり得なかったかな。
【汚れ無きアーミッシュの少年が目撃した、汚れに塗れた正義であるべき組織の行為。今作は、その組織に所属する”清廉な刑事”の行為を、アーミッシュの女性との仄かな恋を絡めて描いた逸品である。】
■夫を亡くしたアーミッシュの母親レイチェル(ケリー・マクギリス)の息子サミュエルが、旅の途中に殺人現場を目撃してしまう。
フィラデルフィア警察の刑事、ジョン・ブック(ハリソン・フォード)は、親子を保護しつつ、犯人を捜すがサミュエルが警察にいた時に、表彰されたマクフィー警部補の写真を見て、ジョン・ブックに犯人だとアイコンタクトで告げる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り、今作は、アメリカで独自の文化を保ちつつ生きるアーミッシュの人達の生活を描いた作品の嚆矢である。
・ジョン・ブックは、親子をレイチェルとサミュエルを妹の家に匿いつつ、サミュエルに複数の黒人の面通しを行う。そして、サミュエルが告げた犯人の顔。
・スピードの原料を横流ししていた麻薬課のマクフィー警部補と、ジョン・ブックの上司でもある本部長、シェイファー(ジョセフ・ソマー)らが繋がっていたために、ジョン・ブックは休暇に行っていた筈のマクフィー警部補に、警察署の地下駐車場で狙撃され大怪我を負うも、彼は二人をアーミッシュの村に連れて行く。
が、彼も大怪我の為に意識を失う。
ー ココからの、アーミッシュの長老たちが困惑しつつも、ジョン・ブックの願いを聞き、彼らなりに手当てをするシーン。ジョン・ブックのベッドの脇には、レイチェルが付き添っているのである。-
・傷が癒えたジョン・ブックは徐々にアーミッシュの人達と馴染んで行き、新婚夫妻の家の棟上げ式を手伝ったりするシーンが、作品に良きアクセントを与えている。
ジョン・ブックが正しい心を持った良き男である事が分かるし、アーミッシュの人達もそんな彼を受け入れて行くのである。
・ジョン・ブックとレイチェルがお互いに恋心を抱いて行くシーンも、美しい。雷鳴轟く中、レイチェルが湯で肌を拭いている姿をジョン・ブックが見つめても、レイチェルは大きな瞳でじっとジョン・ブックを見つめるのである。
そして、その後二人は激しく抱き合うのである。
■観光客で溢れるアーミッシュの町。アーミッシュの大切な財源の一つが、観光業である。だが、マナーの悪い若者達の行いに耐えるアーミッシュの若者の姿を見たジョン・ブックは思わずその愚かしき若者を殴りつけてしまう。そして、その情報は直ぐにシェイファーの元に届き、彼らはジョン・ブックを探しにやって来る。
ジョン・ブックは同僚のカーターに電話するが”殉死した。”と知らされ、怒りの電話をシェイファーの家に掛けるのである。
そして、ジョン・ブックは一名を、アーミッシュの穀物蔵で穀物を落とし窒息死させ、彼が持っていた散弾銃でマクフィー警部補を撃ち殺す。
愚かしきシェイファー本部長は、レイチェルを人質にしジョン・ブックと対峙するが、彼と共に集まって来たアーミッシュの男達の姿を見て、ジョン・ブックに屈するのである。
<今作は、ジョン・ブックが村を去るシーンも印象的である。恋仲のレイチェルに別れを告げずに一人静にアーミッシュの牧歌的な美しい村を去るジョン・ブックの姿。
40年も前の作品であるが、清廉な刑事とアーミッシュの民の姿と、汚れた警察の人間との対比も見事な作品である。>
■追記
良ーく、見ていると若きヴィゴ・モーテンセンがチラッと映ったりしているのも、少し嬉しいです。
サスペンス/アーミッシュ/サスペンス
序盤と終盤はオーソドックスなサスペンスですが、それに挟まれた中盤のアーミッシュの生活描写が作品に落ち着きと品格を加えています。 オスカー候補に相応しい静かな傑作です。 日本時に殆ど知られていないアーミッシュかなので事前にWIKIで調べてから観た方がいいです。 補足 「イギリス人」の訳は間違い、「アメリカ人」が正しいです。
サスペンスじゃないんか〜い
何故か観ていなかったシリーズ。 サスペンスかと思いきや、作中ほぼケリー・マクギリスの魅力を中心に描いた様なラブストーリーになっていて、なんだか思っていたのと違った。悪い人たちも笑うくらいショボい。
B級邦題の被害者
この60年代のTVシリーズみたいな邦題誰がつけたのよ…映画自体は良作だが、邦題が気になってずっと見損ねてた映画。 まあ良作ではあるが、時々ある、アクションだけリアリティを出してイマイチ盛り上がりにかけるタイプ。そのくせドラマパートはリアリティに欠けてて整合性が無いので気になってしまう。ハリソン・フォードで言えば、デビルや6デイズ/7ナイツ寄りの印象。 アーミッシュって文化は知らなかったので勉強にはなった。
「大草原の小さな家」の世界
テクノロジーに頼らない、開拓時代のような(もっと昔なのか)アーミッシュの世界。
家を建てるシーンが象徴する、助け合いの文化。
電話を引いてないとあったけど、今は…まさかスマホ??
今固定電話減ってるし。(笑)
とある事件をきっかけにアーミッシュの親子と知り合うジョン。
腐敗した世界に嫌気がさし、出家して(とは言わないか)美しいアーミッシュの母親と…なんて期待してしまったじゃないか。
視聴済みかと思っていたけど、結末を忘れていたので、観てなかったか?
40年くらい前の作品だが、内容に古さは感じない。
今も昔も汚職だらけである。
刑事ものというより・・
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トイレで殺人を目撃した子供の供述で、犯人が刑事と知る刑事のハリソン。
それを上司に報告したところ、まさかのソイツも共犯。
命の危険を感じ、ハリソンらはその子供の母親の故郷に身を隠す。
やがてそこにも犯人らが来るが、撃退成功。
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特に戦略もなく無為に日々を過ごしてたら、勝手に敵が来て自滅した感じ。
ハリソンと子供の母親のちょっとしたロマンスもあったりして、
何やねんそういう方向の話かよって感じ。
アーミッシュより愛をこめて
アーミッシュの母子は駅で殺人事件を目撃。担当刑事となったジョン・ブックは、事件の裏に警察上層部の陰謀を嗅ぎつける。目撃者である母子と共に命を狙われるハメになったジョン・ブックは、母子を連れアーミッシュの世界に身を隠す・・・インディ、ハン・ソロと並ぶハリソンの当たり役ジョン・ブック、「トップガン」の教官役より遥かに魅力的なレイチェル役ケリー・マクギリス、ピーター・ウィアー監督も抒情性を全編に漂わせた演出で最高傑作にしてると思います。納屋の中でジョンとレイチェルが "禁断" のダンスを踊るシーン、村人全員で納屋を立てるシーン、ジョンとレイチェルのラブシーンなど、ホントに素晴らしいシーンの連続で、またそれらに被さるモーリス・ジャールの音楽が映画を素晴らしく盛り上げてくれています。違う世界に住む男と女の別れを長い沈黙の中に描いたラストシーンも素晴らしいです。 ジョン・ブックのセリフ "レイチェル、君を抱いたら去れなくなる。または君が出ることに・・・"
んー、話はわかるけど、
前半まではおもしろくもあったけど、中盤からは田舎暮らしの描写が多くなって、事件のことより恋愛話の雰囲気にもなってその後のストーリー展開が不安にもなった(笑)
やはりくっつくだろうなあと思うとこでくっつき、意味不明なヌード?もあり、納屋を作ったり田舎の舞台がメインになり、ようやく終盤で悪い刑事が出てきて「ああ、そうだった、こんな話だった」と思い出すような。
どこがどういいもんなんだろう。
なもんで、個人的にはまったく響くようなかんじではなかったかなあ、と。
心に残るのは美しい生活風景
丁寧に隅々まで目の行き届いた作品でした。 サスペンスものでありながら、文化とは、生活とは、の視点が織り交ぜられ、観たあとに残るのは豊かな感情でした。 数々のショットの美しさも見事。 ハットすること多数。
ハリソン・フォード 若いです
サミュエルがもっと中心人物と思ったがそれよりもブックとレイチェルの関係がメインになっていく。 “アーミッシュ”と呼ばれる異文化の中で生活しながらお互いが思うようになるのだが・・・ 都会から村に舞台が移ってからはなんとなく西部劇を見ている感じで 最後は誰かも書かれていたがシェーンを思い出された。 別れのシーンでブックが出ていくとき、車が動かないとか、途中まで行って車が止ったときにまた戻ってくるとか刑事を辞めて村に残るシーンを想像したがシェーンのように馬では無いが車で去っていった。 仕方ないと言えばそれまでだがハッピーエンドとは言えなかった。 サミュエルの活躍もレイチェルの美しさも勝てなかったと言うことか? 最初から都会にもどるつもりだったからこそ深い関係にはならずに自制が働いたと思う。モヤモヤ感が残った映画だった。 自分の思い描いたとおりに進まないと減点してしまいそうになる自分の器の小ささに恥ずかしい。 それにしてもあんなに静かな村で打ち合いがあって死人まで出たら何年も先まで語り継がれる出来事だったろう。 レイチェルとミッシェルの幸せを願うばかりだ。
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