劇場公開日 1990年4月20日

グローリー(1989)のレビュー・感想・評価

全21件中、1~20件目を表示

4.0【今作は、アメリカ南北戦争を描きながら、その中で人間の尊厳、栄誉、人権及び人種間を越えた白人大佐と黒人兵達との友情と連帯する姿を、苛烈なる戦闘シーンの中で描き出した逸品である。】

2024年12月30日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

ー 今作は南北戦争時に実在した北軍の黒人部隊”マサチューセッツ54連隊”の発足からワグナー要塞での苛烈なる戦闘シーンを描いている。
  戦争映画では、鑑賞後に重い気分になる事が多いのだが、不謹慎ながらこの作品は涙が込み上げつつも、何故か爽やかなる気持ちになったのである。
  それは、今作の主役とも言える白人であるロバート・グールド・ショー大佐を演じたマシュー・ブロデリックと、今作により一躍名を馳せた黒人のトリップ演じるデンゼル・ワシントンの人間としての生き方と、ジョン・ローリンズ曹長を演じたモーガン・フリーマンの抑制した見事なる演技に依る所が多いと思うのである。-

■1860年代初頭、黒人だけで組織されるマサチューセッツ第54連隊が発足する。南北戦争で黒人解放を訴えたリンカーン大統領を支持する北軍の支援をするのだが、当初は彼のの命令で、黒人兵は戦闘に参加できなかった。
 その事に業を煮やした指揮官・ロバート・グールド・ショー大佐は総司令官を動かし、その後、第54連隊は目覚ましい活躍をするのである。

◆感想<Caution!内容に触れています!>

・北軍に属していたとはいえ、序盤は黒人部隊を取り巻く環境は厳しい。軍服はおろか、靴や靴下も支給されずに黒人部隊の多くは裸足で行進の練習をしている。
 そして、トリップは野営中に抜け出して靴を得ようとするも捕まり、むち打ちの刑を受けるが、その際に彼が毅然としてロバート・グールド・ショー大佐の眼を見ながらも、瞬き一つせずに流す一筋の涙。若きデンゼル・ワシントンの抗議と哀しみを綯交ぜにした表情が素晴らしい。
 そして、ロバート・グールド・ショー大佐は、備品を横流ししていた愚かしき備品係を叱り付け、黒人たちに軍服、靴、靴下を支給させるのである。その際の黒人たちの嬉しそうな表情。ジョン・ローリンズ曹長を始め、奴隷制度から逃れて来た人が多かった事も遠因しているであろう。

・ロバート・グールド・ショー大佐は、黒人たちに厳しく訓練を指導する。銃を与えられた彼らに対し、玉込めから発砲まで一分間で3発撃つ事を要求するのである。彼の知り合いであった知識人であるトーマスに対しても、同じ扱いをする。トーマスは涙ながらに抗議しようとするが・・。
 だが、彼の親友であるフォーブス少佐(ケイリー・エルウィズ)から諫められるほどの厳しき指導が、戦時での彼らの事を想っての事であった事が、次第に分かるのである。

・黒人兵たちの肉体的な運動能力の高さや、休憩中には明るい笑いを浮かべる姿。彼らが最早、奴隷ではなく人間として扱われている事への誇りと喜びであろう。

・黒人兵たちの給料が、何の通達もなく13弗から10弗に減らされるシーン。素直に受ける者がいる中で、毅然と抗議するトリップ、ジョン・ローリング。そして他の黒人たちも同調する中、ロバート・グールド・ショー大佐も壇上で同じく通達書を引き裂くのである。湧きあがる54連隊。人種、上司部下を越えてロバート・グールド・ショー大佐が、54連隊を一つにしたシーンである。胸が熱くなる。

・だが、54連隊は中々最前線に立てない。肉体労働ばかりで士気は落ちるばかり。業を煮やしたロバート・グールド・ショー大佐はモンゴメリー大佐に直訴するのである。実は彼が様々な着服、横領、戦地の家屋での略奪を行い私腹を肥やしていた事をロバート・グールド・ショー大佐は知っていたからである。
 そして、漸く54連隊は前線に立つ。
 だが、彼らを待っていたのは史実にもある、難攻不落のワグナー要塞であった。だが、ロバート・グールド・ショー大佐は、被害が大きい戦闘部隊を54連隊に任せるように志願するのである。54連隊の黒人兵たちは大佐の申し出に従うのである。

・苛烈なる戦闘の中、降り注ぐ砲弾に次々に54連隊の隊員は浜辺で斃れて行く。だが、ロバート・グールド・ショー大佐は身分から言えば後方で戦闘を見る選択肢も有ったと思うのだが、彼は兵を率いる将として先頭に立って敵に向かって行くのである。
 そして、銃弾に撃ち抜かれた彼の姿を見て、黒人兵のトリップは最初辞退していた旗を握り、敵陣に突っ込むのである。

 <ラスト、窪地にジョン・ローリンズ曹長の遺体が横たわり、その横にロバート・グールド・ショー大佐の遺体が放り込まれる。その横にはトリップの遺体もある。
 史実にもあるがワグナー要塞では、54連隊は大いなる損害を受けている。だが、テロップに流れるように、彼らの戦いぶりを知ったリンカーン大統領は、黒人部隊を正式に認め、南北戦争で北軍が勝利した(と言う事は、黒人の奴隷解放宣言をしたリンカーンの勝利。)大いなる原動力になった事が綴られるのである。
 今作は、南北戦争を描きながらその中で、人間の尊厳、栄誉、人権、人種間を越えた白人大佐と黒人兵達との友情と連帯する姿を、苛烈なる戦闘シーンの中で描き出した逸品なのである。>

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NOBU

4.0あんなに

2024年11月24日
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悲しい

無駄な死に方ってあるんか~。

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symi

0.5タイトルなし(ネタバレ)

2023年7月10日
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アンドロイド爺さん♥️

3.0アメリカ史上初の黒人部隊。 当初は肉体労働ばかりを強いられていたが...

2022年8月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

アメリカ史上初の黒人部隊。
当初は肉体労働ばかりを強いられていたが、やがて前線に送り出されて戦果を挙げていく。
やたらと戦争をやりたがるところは違和感があったが、自由を得るためには命は二の次だったのかもしれない。
私の知識として、リンカーンといえば「奴隷解放宣言」だったが、本作において、リンカーンはむしろ奴隷制を推進するろくでもない大統領という扱いになっている。
どちらが真実なのだろうか。

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省二

3.5デンゼルの、一粒の涙

2022年6月5日
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「南北戦争って、なんだっけ?」と言っている呑気者には。
刺激的というか、引いちゃう戦闘シーンも多かったけど。

黒人部隊の中の、白人隊長の苦悩→わかりあう。
その葛藤や前進ぶりが、なるほどなあと。
最初は「大丈夫か、この坊ちゃん」風だったけど。

デンゼルの尖った「やんちゃな兄ちゃん」が、キレッキレ。
鞭打ちのシーンで、右目だけ流す涙が印象的でした。

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ゆき@おうちの中の人

5.0それでも

2022年6月2日
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戦争したい?怖いのに逃げれんもんね断れんもんね

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ミスター

3.5流石に

2021年9月25日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

美化しすぎな感はあるが
映画としては、なかなか面白かった。
いつの時代も戦争は嫌ですね。
人がバタバタ簡単に倒れていく。
人種差別、戦争、、怖いな。

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T-KAZU

4.0これまで南北戦争もので残酷に虚しく描いたものはなかなかなかった。

2020年5月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 黒人奴隷がどういう扱いを受けていたか、彼等が北軍として連隊を組織したのに不当な扱いを受けていた史実を検証した映画。

 とにかく史実から練り上げていった雰囲気があるので男の友情みたいなものもない。要は黒人奴隷がどんな扱いを受けていたかという前半と、デンゼル・ワシントンの心の奥底が興味深いところ。「何のために戦ってるんだ?」などと言う大佐との会話がじ~んときます。

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kossy

5.0昔のことが正当に評価されるアメリカ

tさん
2018年5月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

アメリカ人は昔の人への敬意を払う。
今の日本人にはそれが決定的に欠けている。
第二次大戦での「トラウマ」がそうさせているのだろうが、そんなもの捨てちまえってんだ。

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t

3.0決して悪くはないけど

2018年2月27日
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鑑賞方法:TV地上波

アメリカ人からしたら思い入れがある重いテーマなのでしょう。日本人にはピンとこない部分もある。ペリー来航のちょっと前にこんなことやってたんだと考えると感慨深いけど。
江戸末期の日本人からみたら近代兵器で鎧ったアメリカも、ラスト・サムライの数十年前は士官は馬に乗って、兵卒は銃剣と火縄銃持って、うぉー、ってやっていたわけで。
黒人が誇りを取り戻すっていうテーマを扱ってなかったら賞を取るほどの作品とまでは思わなかったがアカデミー賞はあくまでアメリカの賞だし、賞をとりやすいテーマが厳然とあるということは理解しているつもり。

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肉ネ~ム

5.0エドワード・ズウィック監督の手腕

2017年3月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

知的

ブラッド・ダイヤモンドやディファイアンスが好きなので、同じエドワード・ズウィック監督の作品を見たいということで鑑賞したが、非常に感動した。南北戦争をテーマにした映画は今まで見たことがなく、とても新鮮で俳優陣の名演がすばらしい。特にもデンゼル・ワシントンのニヒルな感じだけども、静かに闘志を燃やす雰囲気の演技は見もの。考えさせられる映画だった。

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ジンジャー・ベイカー

3.5米国史における反人種差別の流れの一環がわかる、ヒューマンな戦争悲劇

2016年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

日本が幕末・明治維新の動乱期、アメリカも南北戦争で大変だったことを改めて再確認しました。 史実に基づいた、ヒューマニズムと反人種差別の真面目な映画でした。幾多の悲劇を乗り越えて、理想を少し少し実現していった欧米リベラリズムがうらやましいと思いました。若い人には必須の勉強になるいい映画でした。 なお、映画では触れられていませんでしたが、史実として、主人公の黒人部隊を率いて戦死した若い白人大佐は、新婚間もなくで、彼の妻は、その後、再婚せずに一生を終えた、とのことです。

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chakurobee

3.0南北戦争モノなので、ずっと気になっていた映画を観ることができた。マ...

2016年3月11日
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南北戦争モノなので、ずっと気になっていた映画を観ることができた。マシューブロデリックは意外な役でしたが、みごとに演じていたという印象です。時には冷酷、時には兵士の味方。戦闘シーンは丁度いいくらいだが、登場人物の過去や内面的な部分をもっと表現してもよかったと思います。

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is2000

4.5名作

2015年3月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

戦争映画の中でもかなり好きな作品。
奴隷制廃止の為に戦う男たちの姿が胸に沁みた。

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pazoo

3.0黒塗りブラックフェイスは差別か?

2015年3月4日
iPhoneアプリから投稿

見たのは二度目か。 ちょうどシャネルズよももクロの黒塗り顔が話題となっている。

白人による異民族や黒人の奴隷は数千年の歴史があるが、我が国には奴隷制度は歴史上無くむしろこれ憎み解放してきた。誇るべきである。

さて一人の白人青年が黒人奴隷の為に命投げ出して南北戦争(civil war・江戸後期)で重化学工業化してた北軍が勝って万歳。

好きな黒人俳優のデンゼルワシントン(大統領の元奴隷?)、モーガンフリーマン(自由人)が出てる。

なよなよの主人公のマシューブロデリックはチョイチョイ映画で見るが、嵐のニノみたいな役柄が多く結構好き。

アメリカ史おける重要な内戦なので参考に見ておいていいと思う。

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44mm

3.5名優の共演

2014年5月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

さすが名優の共演だけあって、演技に見入ってしまいました。感動の場面も多々ありました。

アカデミー賞受賞作品ということで納得の内容だったんですが、ラストがもう少し感動的だったら…と感じてしまいました。ただ、いい映画であることは間違いないです。

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ローランド山

4.5栄光の歴史を切り開いた迫力の歴史絵巻

2014年3月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

難しい

総合85点 ( ストーリー:80点|キャスト:85点|演出:90点|ビジュアル:90点|音楽:75点 )

 物語も悪くないのだが、演技と演出の出来がいい。美術と衣装も良く出来ているし、大人数を動員して砲撃・銃撃・白兵戦を繰り広げる戦闘場面も迫力があるし、撮影と音楽も良い。敵だけでなく味方からも差別される黒人兵士は、無教養だったり差別された経験ゆえに人に対して攻撃的だったりで、それぞれがまたいろんな背景を持っている。そんな彼らをまとめあげて勇敢に戦い歴史を切り開いた、アメリカ最初の黒人部隊の栄光の戦い様をみせてくれた。

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Cape God

3.5役者の表情

2014年3月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

興奮

デンゼル・ワシントンの表情に魅せられてしまった… 黒人の兵士たちの表情に魅せられてしまった… 監督はうまいとは思わないけど、役者の表情には力があったよ。
物語としても、こういう話にどうにも私は弱いのかも… 散り散りなこころのある種の連帯の瞬間を見せられると、グッときてしまうのですよ… その意味では、最後の出陣前夜の焚き火を囲むシーンは、もうちょっと盛り上げてほしかったってのはありますね。
あ、でも最後の戦闘シーンの終わる瞬間の丘に駆け上がった兵士たちのショットは素晴らしいと思ったよ! 実は未見の「ラストサムライ」、見てみよっかなぁ…

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チャーリー