黒い瞳(1987)
劇場公開日:1988年1月30日
解説
ロシア人の人妻に恋したイタリア男の悲喜劇を描く。製作はシルヴィア・ダミーコ、ベンディコ・カルロ・クッキ。アントン・チェーホフの短編を基に、「ヴァーリャ! 愛の素顔」のニキータ・ミハルコフが監督・脚色。共同脚本はアレクサンドル・アダバシャン、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、撮影はフランコ・ディ・ジャコモ、音楽はフランシス・レイ、編集はエンツォ・メニコーニが担当。出演はマルチェロ・マストロヤンニ、シルヴァーナ・マンガーノほか。
1987年製作/イタリア
原題または英題:Oci Ciornie
配給:ベストロン映画
劇場公開日:1988年1月30日
ストーリー
アテネからイタリアへ向かう船の中。初老の紳士パヴェル(フセヴォロド・ラリオーノフ)は、まだ準備中のレストランでイタリア男と知り合い意気投合する。その男ロマーノ(マルチェロ・マストロヤンニ)は新婚旅行中だというパヴェルに自分の恋の話を始めた。大学で建築学を学んでいたロマーノは、ローマ有数の大銀行家の一人娘エリザ(シルヴァーナ・マンガーノ)と結婚、25年の歳月を迎えた頃、彼女と大喧嘩し、家を出て湯治場へ行った。そこで小犬を連れたロシア女姓アンナ(エレナ・ソフォーノワ)と知り合い、2人の仲は急速に進展した。彼女は結婚していたが、夫を愛したことはないとロマーノに告白した。が、愛の一夜を過ごした翌日、アンナはロマーノに一通の手紙を残してロシアに帰ってしまった。ロシア語で書かれたその手紙が愛の告白であったことをやっと解読したロマーノは、彼女を追ってロシアに向かった。やっとの思いでアンナと再会し2人の生活を約束したロマーノは、身辺整理のためにローマに戻った。が、家に帰ってみると、エリザの家は破産し、「あなたしかいなくなった」と泣きながらロマーノを頼るエリザの姿を見て、ロマーノは、事実を告白できなくなってしまう。彼は元のさやに戻ったのだ。アンナとの約束は破って……。ロマーノのその話を聞いてパヴェルは驚き、彼に対して薄情だと批難した。彼は、今は落ちぶれてこの船でウェイターをしているのだった。甲板にはパヴェルの妻の姿があった。その顔は、光り輝くような笑みをうかべたアンナであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ニキータ・ミハルコフ
- 脚本
- アレクサンドル・アダバシャン
- スーゾ・チェッキ・ダミーコ
- 脚色
- ニキータ・ミハルコフ
- 原作
- アントン・チェーホフ
- 製作
- シルヴィア・ダミーコ
- ベンディコ・カルロ・クッキ
- 撮影
- フランコ・ディ・ジャコモ
- 美術
- マリオ・ガルブリア
- アレクサンドル・アダバシャン
- 音楽
- フランシス・レイ
- 編集
- エンツォ・メニコーニ
- 字幕
- 江田真
受賞歴
第60回 アカデミー賞(1988年)
ノミネート
主演男優賞 | マルチェロ・マストロヤンニ |
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第45回 ゴールデングローブ賞(1988年)
ノミネート
最優秀外国語映画賞 |
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