「アントニオ・カルロス・ジョビンとルイス・ボンファというボサノバの二大巨頭を世界的に有名したことの意義は大きい」黒いオルフェ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
アントニオ・カルロス・ジョビンとルイス・ボンファというボサノバの二大巨頭を世界的に有名したことの意義は大きい
60年前のリオのカーニバルを活写した作品
主題歌はあまりにも有名で、映画音楽の全集に収録される事が多い
題名の通り、筋書きはギリシャ神話をそのまま当時のリオデジャネイロの山の斜面の黒人達の住むスラム街ファヴェーラとリオデジャネイロの中心部に置き換えている
物語は神話から比較的素直で単純な置き換えをしたもの
コクトー監督のオルフェの様に何かを暗喩して政治的意味合いを持たせるというようなのもではない
その悲恋物語をリオのカーニバルとボサノバで彩って観せているところが最大のポイントだろう
公開当時、まだそれらはもの珍しく新鮮だったのだ
しかし21世紀の私達にとってはそうではない
だからラストの日の出と共に子供達が歌い踊るシーンなど印象に残るシーンも幾つかあるが、全体としては、現代人の目からすると散漫で退屈と言わざるを得ない
もっと言えばフランス人監督という外国人の目を通したエキゾチズムの映画と言えるのかも知れない
それでも本作はアントニオ・カルロス・ジョビンとルイス・ボンファというボサノバの二大巨頭を世界的に有名したことの意義は大きい
そして、その楽曲の素晴らしさ故に星半個オマケしなければならない
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