劇場公開日 1981年7月4日

「初めてミス・マープルに触れる」クリスタル殺人事件 asukari-yさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5初めてミス・マープルに触れる

2023年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 アガサ・クリスティと名前を聞いて、まず何を思い浮かべるでしょう?「オリエント急行殺人事件」「ナイル川に死す」「ABC殺人事件」・・・。あまりミステリー作品に触れない自分はここら辺しか思い浮かべませんが、よくよく考えれば探偵ポアロの作品ばかり。ある日テレビ欄を見てミス・マープルの名前を見つけた時、「そういやアガサ・クリスティにはマープルもいたなぁ」「でも見たことなかったなぁ」と言う感じで、これを機に触れてみた次第です。

 ただ、観ようと思ったのはそれだけではない。キャストにエリザベス・テイラーとキム・ノヴァク、主演はなんとアンジェラ・ランズベリーと大御所ばかりやないですか!この豪華さ、これは心惹かれる。しかし実際に観て素晴らしいと思ったのは、

 エドワード・フォックスの佇まいと落ち着き。

 警視総監でミス・マープルの甥にあたるダンディズムな役どころを、まさにイギリス紳士の落ち着きを纏って演じている。いつみても素敵な感じを醸す姿に感服してしまいました。3人の大御所には隠れる立ち位置でしょうが、この映画では個人的にこの男が映画を引き締めたと言って過言ではないと思います。

 さて、肝心のミス・マープルの推理とはなんぞや。と見てみると結構不思議。事件の現場にはマープルはおらず、それを見てきた人の話を聞いて推理していく手法みたいなんです。もちろん最後には現場に足を運ぶのですが、ただ人の話を聞くだけで犯人を突き止めていくなんて、このばあさん恐るべし。

 全体的には飽きることなく観れたので良かったと思います。冒頭のシーンには少しびっくりしましたが(笑)。ミステリーのジャンルながら、一味変わった作品を味わうのも、たまには悪くないですね。

asukari-y