「描く態度に、魅せられる」クラム neoさんの映画レビュー(感想・評価)
描く態度に、魅せられる
描く。
そこに理由はなく。
ただ、描く。ついつい、描く。
突き動かされるように描き続ける。
著者から、そんな感じ、感覚を受けました。
商業的なものを超えて、
(でも、商業的に利用されているわけですが。。。)
自分の中にある差別意識も、
そこからくるエロスのインスピレーションも、
包み隠さず、表現する、表出する。アート。
そこに惹かれるのは、男性のみならず、女性もいて。
(そこも意外!)
彼の「男性性」に、ポルノ的なものと異なる、
例えば、女性の勇気や強さ、
そんなメッセージをもらえる、らしいです。笑
日本のポルノでも、この著者と同じ嗜好は
ある程度、フォロー?されているのでしょうが、笑
おそらく下賎な?扱いにとどまるでしょう。
でもこの著者にかかると、それがアートになるから、
文化のようにも感じられるから、また面白い。
ただ、彼の生い立ち、家族環境は、それ以上に衝撃。
特に父親からの後天的な影響に加えて、
親から受け継いだ先天的な、遺伝子的な資質
(アスペルガー的な、hsp的な、神経症的傾向など)。
そこから生み出される、苦しみ、それを越えようとして
生み出される強い妄想、衝動、情動。エロス。
魂の強くて、いびつなメッセージが、
独特の価値を生み出し、一定層の読者のこころを掴む。
その特殊性、「超越」した何かに、著者と異なる性癖の者も、
女性すらも引き寄せる。巻き込んでしまう。
彼は、インスピレーションの忠実な下僕。
ある種の神からの言葉を伝える預言者であって。
(ドラッグの力も借りながら、彼の指先は、
イタコのように、降りてきたものを自動記述?し続ける。)
時に人を傷つけることも、楽しませることも両方あり。
それで、ちゃんと成立してる。
商業的にも、芸術・文化的にも、成り立ってる。
「縁起」。
あり、なのかな?と思いました。すごいな、と。
でも日本で同じことやったら、
何か、問題になりそうですよね。笑
(その前にここまで、脚光を浴びないか)