「最高だ」蜘蛛女 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
最高だ
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人生ベストの2位作品をスクリーンで見ることができて感無量だ。何度も見ているのだけど子どもがうちに来てから人生観が変わってかつてと同様に感動できるだろうかと思ったがすっごく面白い。そもそも話が面白い。自ら手を汚してにっちもさっちもいかなくなるクズっぷりが最高だ。
以前は、奥さんなんかより愛人のクリスチーナ・リッチにしか興味がなかったのだけど、今は人生と年を重ねた奥さんの大事さが身に染みているので、味わいが違う。映画の中で奥さんの魅力は特に語られていないけれども、語ることではなく存在が人生の歩みそのもので、体の一部のようなものだ。
改めて気になるところもある。レナ・オレンを殺しに行くと窓際に立っていて、銃を撃つと実は愛人だったという下りは、話ができすぎだ。レナ・オリンを護送してホテルの一室でやろうとしているとFBIが詰めかけてそそくさとズボンをあげる場面が面白い。
ダイナーでアルバムをめくると奥さんとの写真の後に、クリスチーナ・リッチの写真があって、破いたページにレナ・オリンの役名が書いていることに初めて気が付いた。どういうことだ、自分で奥さんが残したアルバムに他の女の写真を貼ったのか? 狂っているのか。奥さんが全部貼っているとしたら怖い。
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