「巧妙な人間ドラマの狭間で瞬間沸騰するボルテージはまさにスコセッシならでは」グッドフェローズ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
巧妙な人間ドラマの狭間で瞬間沸騰するボルテージはまさにスコセッシならでは
原作小説タイトルは「ワイズマン」だが、登場するマフィアの面々は賢人どころか、今を生き抜くために各々が必死な男たちだ。そこで芽生える、切れるか切れないのか最後まで分からぬ絆は、ある意味、スコセッシ映画に通底する暗黙のテーマなのかもしれない。
今回メインを張るのはレイ・リオッタだ。今でこそやや太って貫禄を増した彼だが、90年代の頃はまだ精悍な顔つきだったことに驚かされる。そんな若きリオッタはいつしか組織の先輩ジョー・ペシとデ・ニーロの多少危なっかしい綱渡りに付き合わされることとなる。デ・ニーロがお膳立てしたものを、キレると手がつけられなくなるペシがとことん掻き乱すというパターンはこの映画でも「待ってました!」のごとく健在だ。
興味深いのは、イタリア系のペシは幹部へ出世し、デ・ニーロの役はアイリッシュなので幹部になれないという事情。そのあたり、実は『アイリッシュマン』にも繋がる部分なのかも。
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