禁断の惑星のレビュー・感想・評価
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ローテクだがSF映画の未来を作った
進化した謎の生命体
その惑星は人類の未来か?
円盤型宇宙船の魅力
汚れを知らない美女
愛すべきロボット
頼もしいロビー
絶対的なチカラ
人は未来を手にすると
善人も悪の道へ走るのか?
きっと公開当時は
シネマスコープと共に
宇宙探査の旅世界へ
飛び出したに違いない。
※
SF映画が好きになった原点
1956年のクオリティ
世界大戦も終結し冷戦下。辛うじて保たれている平和を背景に宇宙に目を向ける時代だった。米ソはロケット開発でしのぎを削る。そんな背景下で、このクオリティは感心。先住の宇宙生物のくだりも、目に見えない怪物も、光線銃と電磁バリアもご都合主義とはいえ、当時としては最新の筋書きだったろう。
一点だけ、原子炉の扱いがぞんざいで放射能汚染をそれほど気にしていない風が?だった。核爆弾でなければ安全で有効なエネルギー源という風潮だったのかもしれない。
アン・フランシスの見とれる脚線美とロボットの対称が作品の幅を広げたと思う。今思うと、1960年代まではデパートのおもちゃ売り場もロビイ型ロボットが機械音たてながら動いていた。幼い自分は欲しい反面、ちょっと怖くて、「何が欲しい」に躊躇したなあ。
たぶん善人
NHKラジオにこんな番組があります
『子ども科学電話相談』
この番組にこんな相談がありました。
「宇宙人は悪者なの?優しいの?」
確かに気になります、しかしこんなこと分かるわけないだろうと聴いていたら学者先生の答えに大きく頷いてしまったのです。
ざっくりと言うと宇宙へ旅立ち他の惑星に行くということはとてつもない科学力と多くの人達の努力や協力が必要でそれには国々の隔たりなど無くその星の叡智を集約した結果なのだと
もうそうなると争ってなどいては先に進めない、そんな星から来た宇宙人が悪人であるわけがないと言うのです
なるほどです、そのようなところからアプローチして物事を考えた事などなかったのでほんとに参考になりました
この映画の宇宙人も悪人ではなく遥かに文明が発達した良い宇宙人だったのでしょうね
それにしても子ども科学電話相談はいい番組ですねー
子ども達の質問の内容に改めて驚かされます、確かに私には答えられないのに私自身疑問にすら思わなかったことがスラリと出てくる
それを専門の科学先生が親身になって答えるのですからこんな贅沢な番組はないのではないかとね
正直私自身も聞きたいことが色々と出てきましたよ
電話をしてくれそうな子どもの知り合いも無いので残念ですがこの夢は叶いそうにないですがね
SF古典の傑作。 人類がUFOを操り、移住先を探している。 とある...
1956年の宇宙観
ついに、ロビーに会えた!
子供の頃は、ロビーと言えば、
鉄腕アトムや鉄人28号の漫画やアニメの世界
だけに留まるキャラクターでは無く、
空想科学界全体における代表的なロボット
で、買ってもらうことは出来なかったが、
ロビーのおもちゃはデパート売場等で
羨望の眼差しを向ける対象だった。
そのロビーにNHKBS放送でついに
会うことが出来た。
しかし、映画の出来そのものは、
現代の感覚では今ひとつのものだった。
色々な観点で、その後のSF映画の元祖的作品
だったとは言え、古くささは拭えない。
この点は、進歩性の判断の難しい人間
そのものを描くヒューマンドラマ的映画
に比べ、
際限なく進歩する科学技術に密接に絡む
SF映画のハンディキャップかも知れない。
だから、話の骨子の
“観念・潜在意識の具象化がもたらす恐怖”
の表現は難しかったかも知れない。
あえて直接描かないという方法もあったと
思うが。
また、
全てがスタジオ撮影ですよ感が丸出しだし、
ロビーの足が長すぎて着ぐるみなのが
見え見えなのは残念で、
おもちゃのロビーの方が
よほどロボットらしい愛らしさがあった。
それでも、私には
ロビーの存在だけに支えられたと言って良い
かも知れない作品だ。
🌟🌟🌟の内訳は、
作品の出来🌟🌟+ロビー🌟です。
ロビーよ、永遠なれ!
効果音を利かせたオープニングからすでにワクワクしてくる。今観ると古...
50年以上も前の映画なのに、よくできてるなぁ。
人間に危害を加えないというロボット3原則の一つを上手く利用してある。転送装置、ホログラフ、IQ増幅装置や2000年前の知的生物クレル人の遺産と夢のようなものがいっぱいだ。ロボットのロビーのデザインもこの後似た様なデザインがいっぱい登場しているな。『キャプテンウルトラ』や手塚漫画の世界にも・・・ しかも悪魔のような透明の怪物“イド”の出現。CGやSFXの技術が全く無い映画の世界で、よくぞこれほどの特殊効果が表現できたものだ。オスカーを取れなかったのは『十戒』のせいだ(笑)
音響効果がひどい。これなら静かな音楽を使った方が絶対にいい。ゲゲゲの鬼太郎の音響効果と変わらない・・・音だけ聞いていたらホラーだと思ってしまう。
本作を観ないでSF映画を語ることなかれ
もしもSFオタクの大学があったとしたら本作は必修教材だ
一般教養として必ず何度も繰り返し観て頭に入っていないと落第だ
それくらい重要な作品だ
1956年製作だから世界初の人工衛星スプートニクの前年だ
だから冒頭のナレーションで人類の月着陸は21世紀末と言うくらいに古い作品だ
しかし改めて見直して、驚嘆するほど高いレベルのSF映画であることを再認識をした
本編の物語は基本シェークスピアのテンペストをSF解釈で翻案したものだ
お話の内容自体は当時米国でのSF小説の大流行の中では月刊の人気SF小説誌に掲載されてたり、SF短編小説集に収録されていたりする、ありがちなもので、さほど画期的なものではない
それほど当時の米国のSF小説のレベルは高かったのだ
たが、映像、設定、小道具、美術、衣装など本作のありとあらゆる部分が現代のSFの映像作品の全ての根本になっており出発点であることを、改めて再確認されられた
本作の影響力は計り知れない
幾つか例示してみよう
DVDに予告編が収録されている
そこに現れる映像は、星一杯の宇宙空間に流れる黄色い文字の文章
もちろんこれはスターウォーズが引用している
設定は一目観れば判るとおり宇宙大作戦(スタートレック)の元ネタである
最初のオリジナルテレビシリーズのお話とほぼ同じ展開だ
船長とドクターが中心になって物語が進む
美術も宇宙船は宇宙家族ロビンソンのジュピター2号の元ネタ
本作でことに有名なロボットのロビーは、宇宙家族ロビンソンではフライデーになり、本作のコックとロビーのやり取りはフライデーとスミス博士に引用されている
ロビーの初登場シーンの砂漠を土煙を上げて遠くを一直線に爆走しているシーンはスターウォーズにそのまま引用されている
クレール人の地下遺跡にある目もくらむ程の地下の縦空間はタイムトンネルの地下基地とスターウォーズのデススターの中心部の動力炉に引用されている
本作の円盤型宇宙船にメイン船体と二つの機関部を取り付ければそのままエンタープライズ号になる
エンタープライズ号のブリッジが円形なのは本作からの由来
本作の宇宙船のブリッジにある宇宙コンパスは宇宙戦艦ヤマトの艦橋にそのままのビジュアルで引用されている
クレール人が思考だけの存在になっているのは宇宙戦艦ヤマト2199のイスカンダル人に継承されている設定だ
乗組員の制服は色こそ違うがウルトラマンの科特隊の制服に肩の部分のデザインが継承されている
などなど
と、まあ本当に切りが無い
そのくらいに強烈なインパクトを当時の世界中のSFファンに与えたのだ
そして10年後、20年後と、本作に衝撃を受けた子供達が今度は作り手となって本作を土台にして今日のSF映画を切り拓いて行ったのだ
本作を観ないでSF映画を語ることなかれ
それほどの作品だ
おぉ…
ロビーロボット
色褪せない古典SFの名作
「スター・ウォーズ」の原点は黒澤作品だのとよく言われるが、「スター・トレック」も含めて、手本となった作品はこの「禁断の惑星」だと思う。
残念ながらスクリーンで観たことはないが(私が4歳の時の作品)、ヒロインのアン・フランシスは、TVドラマ「ハニーにおまかせ!」で中学生の頃からファンだった。口元にほくろがあり、お色気があって空手で悪人を倒すスーパーおねえさんだった。大人になってからレーザーディスクでこの作品を見つけ手に入れたのが最初の出会いだ。現在はDVDで時折鑑賞している。
収録されている予告篇を見れば見るほど、「スター・ウォーズ」のこの作品に対するオマージュの高さを感じる。
いま観ても、まったく古臭さを感じない構成で、よくこんな映像を創り上げたものだと感心する。ロボットのロビーも、SF作品に出てくるロボットの原型となった。未来の造作物でありながら、どこかノスタルジックで、金属的な重量感がある。
いまや宇宙もののSF古典となり、何度観ても飽きない名作。
残念ながら、今年の1月、アン・フランシスはすい臓がんの合併症で亡くなった。80歳だった。
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