禁断の惑星のレビュー・感想・評価
全24件中、1~20件目を表示
ロビーだ!実はハードSF⁉
子供のころまだ70年代、離島の僻地で文物少なく、母の実家にあった叔父のだろうか少年誌に『ロビー』が載っていて「これ何だろう?凄いなぁ!」と行くたびに眺めていたおそらく雑誌自体は50年代後半ではないだろうか?まぁタコ足の火星人かロビーかというぐらいSFの代表イメージだったわけです。今回そういう想い出のロビーの実物を観ることができてうれしかった。採点が辛いのは時代性を加味しての点数で逆に私はその時代性が嬉しかったので個人的には4点ですが...そこは中立に....
加えて1950年代の作品にもかかわらず、ヒロインがらみのエピソードがサービスで入っているとはいへ、映像のすばらしさセットの凄さハードSF的な種明かし(ボトムズとかイデオンとかを思い出しました)、驚きました。
そりゃCG全盛の今からみたらいくらでもつっこめるけど昭和の怪獣ものやウルトラセブンと一緒でこれはこれで味わいありますよね~
※上記で揶揄しているような書き方をしてしまいましたが本作の作品としての魅力の大部分は間違いなく「アン・フランシス」の美貌で成り立ってます、間違いなし
空想科学映画の名作‼️
西暦2200年、アダムズを船長とする宇宙船は惑星アルタイル第四惑星へ到着。その惑星で20年前から行方不明となっていた博士とその娘が出迎え、先住者クレール人たちが井戸のモンスターのために死滅したことを知らされる・・・‼️私は50年代ハリウッドのSF映画が大好き‼️「宇宙戦争」や「地底探検」、「海底二万哩」、そしてこの「禁断の惑星」などなど‼️今鑑賞してみると、その特撮技術は確かにショボいけど、当時の映画人たちの情熱、映画愛が画面に充満していてホントに微笑ましい‼️今作も、抑圧された潜在意識が生み出した "イドのモンスター" のアニメーションは見事な恐ろしさ‼️クレール人の巨大な地下遺跡のセットもホントに素晴らしい‼️万能ロボットのロビーも、ロビーなくしてR2-D2はなかったのでは、と思わせるロボット感‼️まさにSFではなく、空想科学映画の名作ですね‼️
【”潜在意識の怪物”今作は、円谷プロもビックリの、1956年公開のハイクオリティスペースSFムービーである。宇宙を舞台にしながら、人間の業をベースにした作品構造も可なり深い作品である。】
■西暦2200年。
人類が地球外の惑星へ移住を開始した時代。
怪電波を受信したアダムス機長の宇宙船は、20年前に消息を絶ったベララホン号が着陸した惑星・アルテア4へ降り立とうとするが、生き残りというモービアス博士から”着陸するな、命に危険が及ぶ。”と警告を受けるも、アダムス機長は着陸を決行する。
するとモービアス博士とその娘アルタがロボット、ロビーと共に精密な設計による施設の中で生きていた。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・まずは、数々のSFガジェットの精巧さや、宇宙船内部の構造の精緻さに驚く。円谷プロのウルトラマンが1966年にTV放映されて、絶大な支持を集めたそうであるが、今作はナントその10年前の公開である。
・光線中のビームなど、円谷プロはスペシューム光線造形の際に参考にしたのではないかな、と思った程である。
ロボット、ロビーの造形や、アイザック・アシモフのロボット三原則をキチンと守らせつつ、食料や酒を拡大再生産する構造なども非情に秀逸である。
・更には、物語構成も予想の遥か上を行くもので、秀逸である。惑星の絶滅した先住民”クレル”の文明の高さを途中から挿入しつつ、彼らが絶滅した理由”潜在意識が作り出した怪物”に隠された意味。
・そして、”IQ増幅器”と言う、コレマタSFガジェットとしては魅力的な機器を使うシーンなどもチープさはない。
■モービアス博士が、潜在意識で憎悪する者に対し、見えない怪物を創り出していたという事実と、その怪物の描き方が、コレマタ秀逸なのである。吃驚だなあ。
<今作は、円谷プロもビックリの、1956年公開のハイクオリティスペースSFムービーなのである。宇宙を舞台にしながら、人間の業をベースにした作品構造も可なり深い作品でもある。>
危うかった
科学の化け物
同名のSF小説の金字塔となる作品を映画化
著された1956年というのは、人間が乗る宇宙ロケットの開発技術が
出来上がりつつある時代
つまり「科学が神となる」という思想に、人類全体が向かっていた頃
映画は銀河系内の、あらゆる所を航行でき、正に「夢の未来世紀」
となっていた…
そこで行き着いた「禁断の惑星」… 何が「禁断」かと言うと、
地球人以上に科学が発達した惑星に着き、そこで過去に生存
していた知的生命体は、自分の科学力で開発した
「化け物」に、滅ぼされてしまった…
我が国でも、10数年前に「未曽有の原発事故」が起き
人は、今だ原子力をコントロールしきれないと、改めて実感した
はずなのに、現在では列島各地で原発は稼働し、国民は
ガンガン電気を消費している…
本来の「科学が神」であるのなら「原発」に変わる、新たな
「再生可能エネルギー」の開発が急務であるのに、そちらの方は
ジリ貧の一方…
一体、10年以上かけて日本人は、何の「科学の神」を得たのか?
ある人は言った
「科学は正しいという迷信の風で育った」
半世紀以上の前のフィクション同様、人は現実でも自らを滅ぼす
「化け物」を開発してしまうのか…
人間は、知的生命体としては失敗作で、猿が金属のオモチャを
いじくりまわしているだけの、生き物なのか…?
ローテクだがSF映画の未来を作った
SF映画が好きになった原点
1956年のクオリティ
世界大戦も終結し冷戦下。辛うじて保たれている平和を背景に宇宙に目を向ける時代だった。米ソはロケット開発でしのぎを削る。そんな背景下で、このクオリティは感心。先住の宇宙生物のくだりも、目に見えない怪物も、光線銃と電磁バリアもご都合主義とはいえ、当時としては最新の筋書きだったろう。
一点だけ、原子炉の扱いがぞんざいで放射能汚染をそれほど気にしていない風が?だった。核爆弾でなければ安全で有効なエネルギー源という風潮だったのかもしれない。
アン・フランシスの見とれる脚線美とロボットの対称が作品の幅を広げたと思う。今思うと、1960年代まではデパートのおもちゃ売り場もロビイ型ロボットが機械音たてながら動いていた。幼い自分は欲しい反面、ちょっと怖くて、「何が欲しい」に躊躇したなあ。
Monster from the Id. SF映画の原点
今から65年前の作品です。冒頭から出てきたいかにも空飛ぶ円盤な形の宇宙船。元祖って感じですね。多分色んな映画がオマージュしているんでしょうけど、今現代で単独作品として観ると時代を感じますよね。
あの天才ロボットのロビーは何故に二足歩行に作ったのでしょうか?二足歩行だと倒れやすいのに頭はガラスばりにしてあるって。倒れたら割れるやん❗デザインを考えた人って実用性度外視のような気がしてなりません。ポスターではロボットが女性を抱き抱えていたんで勝手にロボット反乱物かと思っていたのですが全然違いました。多分あのポスターで勘違いした人も多いのでは?
でも、きっと当時観ていれば色々と画期的だったのではないでしょうか?SF映画の礎になっている作品なんだろうなぁっと思いました。
たぶん善人
NHKラジオにこんな番組があります
『子ども科学電話相談』
この番組にこんな相談がありました。
「宇宙人は悪者なの?優しいの?」
確かに気になります、しかしこんなこと分かるわけないだろうと聴いていたら学者先生の答えに大きく頷いてしまったのです。
ざっくりと言うと宇宙へ旅立ち他の惑星に行くということはとてつもない科学力と多くの人達の努力や協力が必要でそれには国々の隔たりなど無くその星の叡智を集約した結果なのだと
もうそうなると争ってなどいては先に進めない、そんな星から来た宇宙人が悪人であるわけがないと言うのです
なるほどです、そのようなところからアプローチして物事を考えた事などなかったのでほんとに参考になりました
この映画の宇宙人も悪人ではなく遥かに文明が発達した良い宇宙人だったのでしょうね
それにしても子ども科学電話相談はいい番組ですねー
子ども達の質問の内容に改めて驚かされます、確かに私には答えられないのに私自身疑問にすら思わなかったことがスラリと出てくる
それを専門の科学先生が親身になって答えるのですからこんな贅沢な番組はないのではないかとね
正直私自身も聞きたいことが色々と出てきましたよ
電話をしてくれそうな子どもの知り合いも無いので残念ですがこの夢は叶いそうにないですがね
SF古典の傑作。 人類がUFOを操り、移住先を探している。 とある...
1956年の宇宙観
ついに、ロビーに会えた!
子供の頃は、ロビーと言えば、
鉄腕アトムや鉄人28号の漫画やアニメの世界
だけに留まるキャラクターでは無く、
空想科学界全体における代表的なロボット
で、買ってもらうことは出来なかったが、
ロビーのおもちゃはデパート売場等で
羨望の眼差しを向ける対象だった。
そのロビーにNHKBS放送でついに
会うことが出来た。
しかし、映画の出来そのものは、
現代の感覚では今ひとつのものだった。
色々な観点で、その後のSF映画の元祖的作品
だったとは言え、古くささは拭えない。
この点は、進歩性の判断の難しい人間
そのものを描くヒューマンドラマ的映画
に比べ、
際限なく進歩する科学技術に密接に絡む
SF映画のハンディキャップかも知れない。
だから、話の骨子の
“観念・潜在意識の具象化がもたらす恐怖”
の表現は難しかったかも知れない。
あえて直接描かないという方法もあったと
思うが。
また、
全てがスタジオ撮影ですよ感が丸出しだし、
ロビーの足が長すぎて着ぐるみなのが
見え見えなのは残念で、
おもちゃのロビーの方が
よほどロボットらしい愛らしさがあった。
それでも、私には
ロビーの存在だけに支えられたと言って良い
かも知れない作品だ。
🌟🌟🌟の内訳は、
作品の出来🌟🌟+ロビー🌟です。
ロビーよ、永遠なれ!
効果音を利かせたオープニングからすでにワクワクしてくる。今観ると古...
クラシックSFの金字塔
ストーリーなどは全く記憶にないのだがロボットだけは覚えていた。ロボットの名は「ルビー」、お願いすると料理でもなんでも作ってくれる、食いしん坊の子供ならすぐにでも欲しいと思ったのだろう、今ならさしずめドラエモンか・・。買ってもらったブリキのルビーはどうしたのだろう、今もっていたらお宝かも。
見直してみて驚いた、CGなど無かったころなのによくできているし逆に画が芸術的で美しい、光線はこの頃でもフィルムのオプティカル処理でできたので頻出している。
冒頭のスーパーで「人類が21世紀には月旅行」とあるが13年後に達成していたとは感慨深い、家事ロボットルビーの頭の中がリレーのようなのは当時のコンピューターのデフォルメか、人類がロケット型ではなく重力制御の空飛ぶ円盤で光速航行するだけでも未来が待ち遠しい、20光年の彼方に地球型惑星が存在、滅亡した先史時代の高度宇宙文明も壮大だ、IQ増幅装置、核融合エネルギー炉、超合金と夢のようなものばかり、「イドの怪物」のイドとはシュレーディンガーの井戸なのか、潜在意識の生んだ怪物とは実にシュールだ、子供に分からなかったわけだ。科学あり哲学ありキュートなヒロインあり、久しぶりにクラシックSFの金字塔を堪能いたしました。
50年以上も前の映画なのに、よくできてるなぁ。
人間に危害を加えないというロボット3原則の一つを上手く利用してある。転送装置、ホログラフ、IQ増幅装置や2000年前の知的生物クレル人の遺産と夢のようなものがいっぱいだ。ロボットのロビーのデザインもこの後似た様なデザインがいっぱい登場しているな。『キャプテンウルトラ』や手塚漫画の世界にも・・・ しかも悪魔のような透明の怪物“イド”の出現。CGやSFXの技術が全く無い映画の世界で、よくぞこれほどの特殊効果が表現できたものだ。オスカーを取れなかったのは『十戒』のせいだ(笑)
音響効果がひどい。これなら静かな音楽を使った方が絶対にいい。ゲゲゲの鬼太郎の音響効果と変わらない・・・音だけ聞いていたらホラーだと思ってしまう。
全24件中、1~20件目を表示