キングコング2のレビュー・感想・評価
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続編に名作なし…の代表格…か?
WOWOWのキングコング特集にて。
前作から10年後の続編。
監督はジョン・ギラーミンが続投…なのに、前作でみられた技巧的演出は全く影を潜め、ほとんど工夫のない単調な画面作りに終始している。
ギラーミンは既にキャリアの末期だったのか、本作以降で名前を耳にした記憶がない。
まぁ、オリジナルの続編『コングの復習』('33)も観るところがない映画だった。ただ、あれは前作のヒットを受けて急ごしらえした続編だった。
一方、本作は10年もの時間を隔てての製作で、その目指すところは何だったのか。前作の余韻など既になくなっていたはずだ。
前作のラストシークェンスがイントロに流用されているが、本編のキャストは完全オリジナルで、名のある役者はリンダ・ハミルトンくらいだ。ハミルトンにしても『ターミネーター』後ではあるが、『ターミネーター2』以前なので、看板と言える存在でもない。
とにかく、いい加減な映画である。
コングカップルの着ぐるみショーは、ダラダラと絞まりがなく、舞台の森林セットは恐るべき安普請だ。
もはやコングの所有権・管理責任の所在などどこかに行ってしまい、頭に血が上った軍人とコングの闘いが展開するのだが、これにしても地上戦だけのスケールの小ささだ。
ただ、観るべきところが全くないわけではない。
軍の施設に囚われたレディコングを救出する場面は、スリリングだった。
最後はメロドラマで締めるのだが、ベビーコングが小さすぎないか?みたいなことが気になってしまう。
この脚本でちゃんと泣いてみせるのだから、役者はすごい。
1976年の作品は観ておらず、1933年版からいきなりの「2」視聴...
心臓ばくばく
当時の続編モノには無理のある作品が多かった。それでも宣伝はかなりセンセーショナルだった記憶がある。
クレーンで運んだ人工心臓がガタっと落ちそうになるシーンなど、意味もなくハラハラさせられる手法。しかし、その後はそれほど昂揚感があるわけでもなく、なんとなくコミカルに展開していくような・・・また、医師であるリンダ・ハミルトンと冒険家(?)の男が関係を持つのが早すぎるため、彼らに感情移入することもできない。
軍隊とコングとの衝突や、谷間でハンターたちが爆破させる視覚効果もチープなもの。序盤の特撮技術がかすんでしまうくらいなのです。
ストーリーにしたって、せっかく感動した前作を冒涜しているし、安易にレディー・コングを登場させることも馬鹿げている。はい、二匹とも死にました・・・けど、赤ん坊が生まれましたのでハッピーエンドです!と言われてもねぇ~。それに、音楽も『未知との遭遇』にどことなく似ているところがどうもひっかかる。
ちょっとだけ良かったのは暗に軍隊批判をしているところかな。
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