劇場公開日 1986年12月20日

「続編に名作なし…の代表格…か?」キングコング2 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0続編に名作なし…の代表格…か?

2022年10月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWのキングコング特集にて。
前作から10年後の続編。
監督はジョン・ギラーミンが続投…なのに、前作でみられた技巧的演出は全く影を潜め、ほとんど工夫のない単調な画面作りに終始している。
ギラーミンは既にキャリアの末期だったのか、本作以降で名前を耳にした記憶がない。

まぁ、オリジナルの続編『コングの復習』('33)も観るところがない映画だった。ただ、あれは前作のヒットを受けて急ごしらえした続編だった。
一方、本作は10年もの時間を隔てての製作で、その目指すところは何だったのか。前作の余韻など既になくなっていたはずだ。

前作のラストシークェンスがイントロに流用されているが、本編のキャストは完全オリジナルで、名のある役者はリンダ・ハミルトンくらいだ。ハミルトンにしても『ターミネーター』後ではあるが、『ターミネーター2』以前なので、看板と言える存在でもない。

とにかく、いい加減な映画である。
コングカップルの着ぐるみショーは、ダラダラと絞まりがなく、舞台の森林セットは恐るべき安普請だ。
もはやコングの所有権・管理責任の所在などどこかに行ってしまい、頭に血が上った軍人とコングの闘いが展開するのだが、これにしても地上戦だけのスケールの小ささだ。

ただ、観るべきところが全くないわけではない。
軍の施設に囚われたレディコングを救出する場面は、スリリングだった。

最後はメロドラマで締めるのだが、ベビーコングが小さすぎないか?みたいなことが気になってしまう。
この脚本でちゃんと泣いてみせるのだから、役者はすごい。

kazz