「これって美しい戦場の友情映画ですか?」キリング・フィールド きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
これって美しい戦場の友情映画ですか?
公開当時、映画館で鑑賞したが、虫酸が走って怒りが収まらなかった。
“敵”=クメール・ルージュのセリフに字幕が付かないのは何故なのだ?
“征伐されるべき”共産国の兵士には字幕を与えず、訳のわからない言語を喋る蛮族として観客の敵意を煽る、恐ろしい扇動映画だと思った。
相手を意思の疎通の出来ない存在=非人間だと思っていれば、命を奪っても平気だよね。
「丸太」、「鬼畜」、と思わせて彼らの話す言葉を「敵性語」とレッテルすれば呵責なく銃剣を突けるわけだもの。
“カンボジア人でありながら白人記者と仲良くなったまことに感心な現地人の物語”、ってことですね?
映画館の出口では、観客たちが我先にと感動を模造紙に書き綴っていた。
僕は
「なぜカンボジア人のセリフには字幕が付かないのですか?彼らも人間ではないのですか?非道い映画だ」と書いてその場を出た。
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沖縄の県立平和記念資料館に行ったとき、沖縄戦の最中に日本軍が出した通達文が展示されていた。命令書だ。正確な記憶ではないがほんの数行の文言
「而今より琉球語を用う者は間諜として処断す」
と書いてあった。
何を喋っているのかわからない相手を、軍隊は非常に恐れて嫌うという実例だ。
まさにキリング・フィールドだ。
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こころさんのコメント
2020年6月3日
コメント有難うごさいます。
「シアター・プノンペン」予告編を観ましたが、良さそうな映画ですね。
レンタル会員ではないのですが、覚えておきますね。キネマで上映して貰えると有難いのですが。