狂熱の孤独のレビュー・感想・評価
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ロックダウンされた街で
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1953年製作だが、舞台背景がコロナ禍の現代にも通じるラブストーリー。
主人公達は遠い異国の小さな街に暮らす外国人であり、互いに伴侶を失った後という、心理的にも閉塞感がより強い状況。そんな時にどうしたら生きていけるのか。あるいはそんな時だからこそ、なのか、愛する人が見つかって、孤独から救われるという、それまでの陰気な雰囲気からはびっくりのラストだった。
Jフィリップの元医師役は、本当は善人だと分かるまでの、哀れでもあり胡散臭くもあるアル中の感じがリアル。
ヒロインのミシェル・モルガンは、この後の「夜の騎士道」でも思ったけど、骨格がしっかりしていて大柄で、いやらしい男を気迫であしらう頼もしい感じが似合っていた。
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ジェラール・フィリップとミシェル・モルガンの二大名優共演の何たる魅力
「七つの大罪」のイブ・アレグレ監督のフランス映画では珍しくメキシコを舞台にした作品。この映画の美点は、主演の名優ジェラール・フィリップと孤高の美しさにあるミシェル・モルガンの二大スター共演の魅力に他ならない。フィリップの虚無感にとらわれたダメ男振りの役柄も珍しく、美男スターに留まらない俳優としての野心が感じられる。旅先で夫を病死で失った人妻の心許ない状況でも気丈に振る舞う気の強さを窺わせるモルガンの女性像も素晴らしい。女の性(さが)と色気が入り混じった何とも言えない佇まいに見とれる程で、この映画で完全に彼女の虜になってしまった。
1983年 6月3日
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