「人間の本性を抉り出す作品」CUBE なにわさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の本性を抉り出す作品
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警官の男が最初はリーダーシップを発揮するけど、段々と独善的、高圧的になるのが良い。「男らしい」振る舞いって安心をもたらすけど、それが身内に対する攻撃にスイッチするのではという不安も同時に感じる。密室とはまた違う脅威になっていた。
怯えていた数学科の学生は欠かせない存在だったな。彼女がいなかったら詰んでた。結果的には最初から動かなくてよかったということだったと思うけど、それすらも彼女がいないと分からない。知性は強いな。ただ、「それでも生きる」と決意した彼女を殺すのはかなり意地悪だ。
設計者の男は、最初は不信感を煽る嫌なやつだったが、最後は男性陣の中では一番頼もしかった。人間に対して絶望していて、悲観主義のようだけど、警官から仲間を守る姿はカッコよかった。
(おそらく)介護士の女性は、手を離される時の表情が辛かった。独身についてとやかく言われているのも、見ていて本当に可哀想だった。
ただ、警官の男が障害者の男性の声で罠にかかりそうだった時は、ちょっと複雑だったな。警官がキレるのは正直分かるし。障害者の男性を責めるのは難しいんだけど、かと言ってそこで変に宥めても逆効果じゃないかなと思った。
障害者の男性も非常に重要だった。こういう役に言及するのは難しいけど、良い意味で緊張感をもたらしてくれていたな。
彼が最後に見た景色が気になるな。
色んな属性の人間が集められていて、それぞれに活躍の機会が与えられている点で、実験みたいだなと思った。特定の状況下に置かれた人間がどういう行動を取るのか、みたいな。
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