「作品に何を求めるかで評価が変わる」CUBE ぽりおさんの映画レビュー(感想・評価)
作品に何を求めるかで評価が変わる
■演技・役者
海外の役者さんにはあまり詳しくないのですが、ワース役の方だけ他のドラマで見たことがあります。脚本に振り回されてる感じがなくて、全員違和感が無いです。特にクエンティン役、障害を持つカザン役の負担は大きかったと思いますが良かったです。4/5点。
■映像・音
キューブの中の画が多いわけですが、であるが故に普遍的な良さがあります。どんな映画も古い作品になると、まず視覚で「古い映画だな」という薄いフィルターで見てしまうわけですが、本作は30年近くたった現在でもそれをあまり感じません。と同時にその無機質さ故に、作品の恐怖を盛り上げています。音楽はほとんどないのですが、機械音振動音等が度々挿入され、臨場感を引き立てます。3.5/5点。
■脚本
非常に良くできています。ワースの過去からくる発言も妙にリアリティがあります。全員がめちゃくちゃパニックになるというようなこともなく、キャラクター同士の様々なやり取りはあるのに”ドタバタ”を感じさせないのが素晴らしい。登場人物がかなり絞られている為、感情移入もし易く、人物相関は明瞭です。
一方で少しずつ謎を解き明かされていく楽しさもあります。この点では一部のキャラに負担が偏っていますが、下手に登場人物を増やしてそれぞれが手がかりを見つけるという分散活躍より没入できます。
一部、クエンティン絡みのシーンに違和感を感じるところもありましたが、個人としては楽しめました。4.5/5点。
■総評
◯◯はどうなったの。どうして◯◯だったの。という疑問は残る作品ではあるかもしれませんが、この作品はミステリーではなくエスケープアクションになりますので、動機は最重要課題ではないと思っています。
続編ではその辺りが少し露見しますが、じゃあ続編と本作比べるとどうなんだというと評価は圧倒的にこちらが上です。