吸血鬼ノスフェラトゥのレビュー・感想・評価
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黒澤明はドイツ表現主義映像の影響を受けていたのか?
ポランスキーの「吸血鬼」を観た勢いで
初鑑賞。
私がレンタルして観たDVDの上映時間は
63分だったが、解説のデータでは94分
とあった。“オリジナル”との注釈があった
ので、本来は94分の作品だったが、
著作権訴訟の影響で後に見つかったフィルム
では63分までしか再現出来なかったとのこと
なのだろうか。ストーリーに分かりにくさを
感じた部分はその影響だろうか。
映像面ではこの作品でもドイツ表現主義的
に思えたが、新たに感じたのが、
不動産屋の社長などの目を見開いた表情の
クローズアップが、黒澤明の例えば
「蜘蛛巣城」等での三船や山田五十鈴の
表情描写を想起させたことだ。
黒澤明はドイツ表現主義映画の影響を
受けていたのだろうか。
Blood! Your precious blood! 吸血鬼映画の超元祖!
dTVに上がっていたので映画史のお勉強にと思って観賞しました。公開が約100年前の1922年!1922年って日本は大正11年!勿論モノクロでサイレントです。
今観ると全く怖くないのですが、これを当時観た人はメッチャ怖かったのではないでしょうか?きっと映像を観るって事自体がレアな体験でしたでしょうし。ノスフェラトゥさんのあの何者かわからない存在感といい、影だけ写して襲って来てるのを表現する手法といい、色んな事を創意工夫していて、現代まで連綿と繋がるホラー映画を産み出した作品と言えるでしょう。
現代ではヴァンパイアって犬歯が長いのがデフォルトですけど、最初は前歯が長かったんですね。だからノスフェラトゥさんの見た目はネズミ感半端ないです。ネズミいっぱい引き連れてましたし。自分で棺桶背負ってお引っ越ししてる姿もグッドでした。
古い映画ですし、正直何がどうなった?って思ってしまうシーンも多々ありましたが、ここから全てが始まったと思うと、何だか感慨深い物がありますね。本作から100年で映画の表現って物凄い拡がりをみせて現代に至るのですが、映画好きを語るならその原点となる作品としてチェックして損はない作品です。
1922年作品!Σ(・□・;)
無声映画の名作?恐怖の交響曲というサブタイトルが示すように後から音楽を付け足したもので、これがまたいい。21世紀に入ってからフィルムの欠損部分を補ったりして、かなり見やすくもなっている。
時代は19世紀。ヨーロッパにペストが流行したということとノスフェラトゥを関連付け、人々を恐怖に陥れる。今では吸血鬼の恐怖を表現するには直接の噛みつきだと思うが、そのようなシーンはなかなか出てこない。いつの間にか蚊に刺されたという表現なのだ・・・最後に妻エレンが噛まれるのかと思いきや、ノスフェラトゥの陰におっぱいを揉まれるだけだった。
映像はホラー映画の元祖だけあって、稚拙な中にも実験的な編集がいくつも見受けられる。家の中にスーッと消えて入ったり、コマ送りによって扉を自動で開けたり、二重撮影?によって姿を消したり・・・最後には太陽の光と陰で彼の終焉を表現している。
最近のヴァンパイア映画を観すぎているためか、恐怖というものが全く感じられない。ペストの蔓延といったエピソードはちょっと怖いが、結局はノスフェラトゥがペストを蔓延させたのか?棺には呪われた土が必要であり、ネズミもいっぱい運ばれたこともあるだろう。ストーリー的にはペストの流行を吸血鬼に関連付けたといった全体イメージが残る。
序盤に登場したドクロ付きの壁時計が欲しいかも。
ドイツ表現主義の代表作とされてはいるが、 らしさはそれほど感じない
表現主義とは印象主義との反語
見たままではなく、内面の感情を表現する事に力点を置く、つまり後のシュルリアリズムに通じる
絵画で言えばキュビズムが時代や考え方に通じると思う
伯爵が棺からまっすぐに起き上がるシーンは、誰もが知っている名シーンだ
またその吸血鬼のビジュアルも
なぜなら幾多の映像作品でオマージュされ引用されまくってきている超有名なシーンだからだ
その後のありとあらゆる映画に影響を与えていると思う
かといってそれが表現主義的な表現かどうかは別問題だ
物語もそれが表現主義に通じるのかというと首をかしげてしまう
本作はドイツ表現主義の代表作とされてはいるが、らしさはそれほど感じとれない
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