キャラクター 孤独な人の肖像のレビュー・感想・評価
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父と息子
寡黙な母、息子を苦しめ続ける父。ライオンのように子を崖から突き落とすような態度をとることが父親の愛情だった。貧困層に対して強制退去命令を下すことにも罪悪感を覚えていると、良いように解釈も可能だ。 かなり特異な男の愛情を描く映画ではあるが、それよりも記憶に残るのは息子ヤコブの半生であろう。スラム街の母子家庭のためイジメにも遭い、職がないためタバコ屋を起業する。担保がないため銀行は金を貸してくれないが、唯一貸してくれたところが父の銀行(あとでわかった)という物語。弁護士になるヤコブだが、それほど目的意識があったわけでもない。不思議、とにかく不思議だ。多分ずっと童貞だったんだろうなぁ、と想像もできる。 恋愛部分(しかも相手には恋人がいた)も薄いのだが、ラスト近くで再会する公園のシーンは、最近観た『ネバーランド』を思い起こすほど綺麗だった。
孤独だけど孤独じゃない。
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少年が恵まれない環境の中で、無愛想な母親と、主人公に冷たく当たりまくる父親(結婚していない)の確執の中、勉強に勉強を、苦労に苦労を重ね成長していく物語です。
ただ黙々と、孤独に前進していくこと。一見冷たく見えてもその裏には両親の愛が生きている。悲しいけど悲しくない、孤独だけど孤独ではない。人間本当はそれしかないんだよと、語りかけてくるような物語です。
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