キャノンボールのレビュー・感想・評価
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もっとトガッた小ネタが欲しい。
○作品全体
冒頭のカーチェイスはランボルギーニの疾走感が良く出ていて素晴らしいが、それ以降、カーアクションはほとんどない。終盤で思い出しかのように車が爆発し、空中を飛んでいくけれど、それまでの間が長すぎる。キャノンボールレースが始まるまでは国際色豊かな登場人物の紹介シーンがあるけれど、ウィリーし続けるバイクの二人とかSUVのコンビとか、個性がイマイチなチームもちらほらあってわかりづらい。
優勝の行方とかヒロインとの恋の行方とか、「アイツ」が姿を現すのは一体…みたいな、作品の軸になりそうなものはあれど、どれもが中途半端だ。「キャプテンUSA」になって大団円…って意味が分からなすぎるんだけど、とにかく楽しかったね、で終わらせるのは作品のノリとしてはあってるのかもしれない。
でもどうしようもないコメディ作品って物語がどうとかより、個人的にツボだったシーンがあるかどうかだよな、みたいな。
そういう意味では日本人ジャッキーも良かったけど、ジェームズボンドもどきが一番笑った。ジェームズボンドもどきのシーンになると必ずBGMが変わるのがツボ。
でもそれ以外は酔っ払いのギャグみたいな感じのが多くって、シラフだとなかなか乗れないもどかしさがあった。
〇その他
・小型機で街中を離発着するシーンでめちゃくちゃ撮影クルーが映り込んでる。まあ、そういう感じの作品だからなあ…。
・なんというか、見ごたえある映画になってたのはジャッキーチェンのアクション10秒くらいだったなあ。
・エンドロールのNG集はジャッキー映画のインスパイアか?NG集の見ごたえさえもジャッキー映画とは天と地ほどの差。
・こういう作品は正月休みの深夜に偶然テレビで見るのがちょうどいいんだよなあ。次の日とか気にせず、ぼんやりテレビを見て笑ってるような、そういう時間を作れる作品だ。
迷走コメディ
着想のもとになったレースは実際にコネチカット州ダリアンからカリフォルニア州レドンドビーチまでの4608Km、車種、ドライバー、ルートを問わない紳士協定による自由走行のタイムレースで1971~79年にかけて5回行われているそうです、古き良き時代と言うことでしょうか。優勝した車はキャデラック、フェラーリ、ダッジスポーツマンヴァン、ジャガーなど地味目です。映画ではパトカーに追われていましたが実際のルールでは警察に捕まった場合は失格だったそうです。ジャッキーチェンが日本人に間違われていたがギャグなのでしょう、改造したスバルに乗っていましたね。ロジャー・ムーアは007シリーズの映画化権を所有していたイオン・プロダクションからジェームス・ボンドの名に傷をつけないよう釘を刺されての出演だったようですが微妙でした、ロジャー・ムーアを同伴の女性がジョージ・ハミルトンと間違えてがっくりくるシーンですが日本語吹き替えではショーン・コネリーになっていました、勘違いネタのローカライズが上手いですね。
昔観て面白かった記憶があったのですが、今観るとわざとらしい演出、ギャグが鼻について笑えません、目が肥えるのも良し悪し、昔の自分がいかにノー天気だったか、失った素直さに感慨深いものがあります。観客より作り手の方が楽しんでいる感じの暴走、いや迷走コメディでした。
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