キャット・ピープル(1981)のレビュー・感想・評価
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あれもこれもやりたいことが一杯で未整理のまま撮ったとしか思えない
厳しい 監督自体が何をテーマとするのか、何を撮りたいのか考え抜かず未整理のまま撮られた作品のように感じる キャットピープルと名の付く作品は本作を入れて3作あり、本作はその最初の作品のリメイクという触れ込みだが内容はほとんどオリジナルだ 基本、豹に変身する人間を巡るホラー映画だ しかしグロテスクなシーンもあるものの、それはメインではなく、どちらかといえばエロスだ しかしそのエロスもふらついて、豹人間のヒロインを主人公に描くのか、動物園園長を主人公としてヒロインを女性の理想として崇める物語とするのか、定まらない ホラーなのか、エロスなのかもも定まっていない その両方を狙ったにしてもどちらも中途半端なのだ 救いはナスターシャ・キンスキーを主演に配役していること そうでなければ悲惨な結果になったろう 彼女21歳、 テスの時は18歳で本作とはたった3年しか違わないが、唇と頬に膨らみがあり、腰から尻に女らしい曲線が見られるようになった しかし細い腰、薄い胸は同じだ 処女という設定に全く違和感のない容姿を保っている しかも女性としての性を意識する膨らみと曲線がその処女性のある肢体の中に熱く閉じ込められている様を見せてくれる ざっくりしたセーターを突き上げる小さく尖った乳房や、カニ釣りでカメラに向けてつきだす丸い尻は監督の意図したエロスだろう クライマックスの緊縛しての性交も狙ったに違いないシーンだ しかしそれは徹底していない 彼女の魅力を引き出すなら、相手役の兄や園長はもっと身長のある男優を配役して、彼女をより小柄に見せるべきだ 髪の毛もショートカットはキュートでも必然性はない 劇中にダンテの神曲の一節をだして、ダンテに取ってのベアトリーチェのような、男を惑わす運命の 女を演出するなら、何故ロングヘアでなくショートカットにさせたのか疑問だ 豹女としての野性味をだしたいからだろうが、それではどちらをとるのかブレている 舞台をニューオーリンズという異国情緒のある街に設定したのは成功だ 豹女というホラーが良く似合った 観光名所のフレンチクォーターを歩かせたり、バイユーでボートに乗ってボートハウスに行かせたり、クレオールのメイドに名物のガンボ料理を振る舞わせたりも良い しかし近親相姦の設定は不要だし、アフリカのシーンも不要だし、クレオールのメイドもそんなに登場させる必要があったのか あれもこれもやりたいことが一杯で未整理のまま撮ったとしか思えない エンドクレジットで漸くかかるデヴィッド・ボウイの主題歌もつまらないし、使う意味もない ナスターシャ・キンスキーのエロス ニューオーリンズの街並 ジョルジオ・モロダーの音楽 この三つでオマケしてやっと星3つとするしかない
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