劇場公開日 2022年11月3日

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「慈しみの心」キッド(1921) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0慈しみの心

2021年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

哀愁のドタバタ喜劇、いまさら語るのも憚れるほど一時代を築いた天才チャップリンの初期の名作です。これまた天才子役ジャッキー・クーガンを得て涙と笑い、ペーソス溢れる父子物語ができました。
チャップリンも息子を亡くしたばかり、自身の貧しかった子供時代の体験も織り交ぜているのでしょう、リアリティとは程遠い白黒サイレントのスクリーンの中に生々しい葛藤の様が映し出されるのは驚きです。21世紀の今日ですら育児放棄や遺棄の報道があるのですから情けない、見方を変えれば立派な社会派ドラマでもあります。
大上段に振りかぶるのではなく喜劇を通じ人々の琴線をとらえる彼の表現手法によって人としての矜持、慈しみの大切さを伝えたことは真の賞賛に値するでしょう。

odeonza